人生を変える旅をするには
「若いうちの旅のススメ」「旅は新しい自分を見つけるチャンス」「知っておきたい旅のリスク」「現実逃避が人生を変えるきっかけになることも?」「旅に出ようか迷っている人へ」などを紹介します。

旅に出ようか迷っている人へ

2018/02/02

友人に中南米の音楽、特にキューバ音楽が大好きで、ゆくゆくは中南米でスペイン語を勉強して、中南米のどこかの国に住みたい、という人がいます。しかしそう言い続けて早5年、彼女は「まずお金を貯めないと」と言って、なかなか行動を起こそうとしません。日本で暮らしながら長期海外旅行用のお金を貯める大変さは良く知っていますが、それにしてもあんまり本気なようには感じられないのです。まるで「そんなこと実際にはできない、起こるはずがない」と本心では諦めているかのように見えます。

日常的に仕事があって、家族がいて、友達、恋人がいて、という状況で、長期で旅行に出ようと思うには、一度びしっと覚悟を決める必要があります。この覚悟ができるかできないかで、実際に長期旅行に出る出ないが決まります。何となく長期で旅行したいというだけで、それを実行に移したという人を聞いたことがありません。仕事を辞めないといけないし、家族や友人、恋人には長期で会えなくなるし、恋人の場合だと別れ話に発展するかもしれません。日本では長期旅行は、まだまだリスクが大きい行為です。

そんなリスクをとる覚悟をしても、くじけそうになることもあるかもしれません。気持ちが折れる事態を防ぐために、具体的にどの国や地域に行くかを予め決めて、いろいろ妄想を膨らませましょう。それから具体的な計画をいろんな人に話してみましょう。無言実行はカッコいいですが、人に具体的な話をすることで後に退けなくなるというのは、いいプレッシャーになります。

なかなか覚悟を決められない人は、まず本当に長期で旅に出たいのかをもう一度自分に尋ねてみましょう。やはりどうしても、という答えであれば覚悟は決められますし、お金が、仕事が、恋人が、と疑問が湧いてくるなら、まだその時期ではないのでしょう。冒頭のキューバ好きの友達も、まだ本気で覚悟を固められるほどには、心の準備ができていないのかもしれません。

ひとつだけアドバイスするとしたら、この日に出る、というのを予め決めてしまって、飛行機の変更不可チケットを買ってしまうと、気分が盛り上がって断然身辺整理に力が入ります。かなり背水の陣作戦ですが、期日を設定してしまうとスケジュールが立てやすくなり、現実味が出ます。ぜひお試しください。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。