カラオケ上達したい人必見!プロが教える発声法
腹式呼吸法、声に芯を作る方法、声を浸透させる方法、息継ぎの方法、ビブラートを付ける方法、マイクの上手な使い方などプロが教える発声法を紹介します。

マイクの上手な使い方

2013/01/07

カラオケは格段に進化して、機能と性能がグ〜ンとパワーアップしました。しかし、現在でも音響の現場では「音の入り口と出口が一番重要!」と言われています。音響機器がどんなに進化しても、マイクとスピーカーが悪ければ良い音が出ないのです。

カラオケのスピーカーは、一流の音響システムを使用していますが、マイクは消耗品として、余り拘った配慮が成されていません。お客様のマイクに対する認識不足と、乱暴な扱いにも要因があります。

私が主宰するカラオケサークルでパーティーが有った時の話です。当日皆には内緒で「シュアーのプロ用マイク」を2本持っていきました。パーティーが始まり一通り歌った後に、私の番となりました。私はシュアーのマイクを取り出し、セッティングして歌いだしたのです。サークルの会員達が「先生!そのマイクはプロの歌手用でしょうか?」と聞くので、「これは、歌手のステージ用マイクで、他にもレコーディング専用のマイクもあるんだよ」と言いました。

後半のパーティでは、「シュアーのマイクで歌いたい!」とのリクエストがありました。高価なマイクだと理解させて、取り扱いに注意するよう言い聞かせてから使用させました。やはり、シュアーのマイクはハッキリと違いが判ります。ダイナミックレンジが広く、音圧があり、言葉の輪郭がハッキリと出ているのです。

歌手は、オリジナルのマイマイクを持っています。声質と歌唱法に合わせたマイクやスローバラード、ハードロック、そしてラップなど独特の周波数があるのです。しかし、カラオケのキャンペーに来る歌手は、お店にあるマイクで歌います。プロは、様々な現場で培ったマイクの上手な使い方を心得ているのです。

カラオケで使用されているマイクは、単一指向のダイナミックマイクが殆どです。単一指向は、周囲の雑音を極力拾わないように出来ています。ダイナミックマイクは、高音、中音、低音に平均的な能力を持っています。

マイクと口との距離ですが、唇に付くくらい近い方もいますし、20センチほど離している方もいます。マイクの性能にも拠りますが、口に近すぎると音が篭り、口のペチャペチャ音もマイクに入ってしまいます。声量のある方は20センチから30センチ離しても大丈夫ですが、一般的には5センチがベストでしょう。

昔、クラシックの歌手とロック歌手、そして弾き語りと一緒にカラオケに行きました。変な組み合わせですが、行きつけの料理屋の常連仲間です。ロック歌手はマイクを両手で覆い隠し、声を逃さないように歌っています。クラシックの歌手は、マイクをハンカチで拭き、歌い始めたら腰のあたりまでマイクを下げてしまいました。弾き語りの歌手は、マイクを口に付けて語るように歌っています。

マイクは距離だけでなく、方向によっても違いが現れます。口元より上にマイクを持っていくと、高音が入りやすくなりますが鼻声っぽく聞こえる事もあります。口元より下にマイクを持っていくと、低音が入りやすくなりますが声が篭って聞こえる事もあります。

声量に変化がない方でも、声を伸ばしながらマイクを近づけると声量が増し、遠ざけると声量を抑える効果も有ります。カラオケのマイクは、大きな声と小さな声の差を抑えて平均化する機能があります。マイクの遠近で声量を調整し、方向で低音と高音を引き立てる事ができますので、上手に活用してください。

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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。