ホステス体験記
ホステスの心遣い、会話術、困った人のかわしかたなどホステスの体験記を紹介。

これからホステスを目指す女性へ

2011/08/19

すべては気遣い〜少しの気づきで・・・

最近の若い女の子は、ホステスというよりキャバ嬢に憧れているそうで・・・。たぶん、盛髪やドレスといった、現実離れした華やかさのイメージがあるのでしょう。だけど、真面目にやればやるほど精神的に厳しかったり、裏にあるドロドロした人間関係に耐えたり、実は濃い世界だということ、入ってから知ることは多々あります。決して楽ではないのがこの商売です。その分、自分が頑張って成果を上げた時は大きな喜びになります。それが楽しくて続けられるというのが私の本音です。

この仕事をしてみたいという方には、とにかくがむしゃらに頑張ってみてくださいと言いたいです。がむしゃらというのは、周りの目や意見を聞かずにひたすら!と思われそうですが、そうではなく、ちゃんと冷静に誠実に、お客様としっかり向き合うということ。

何度か会っていくうちに、お客様ととても仲良くなり、友達感覚になることももちろんあります。そうなると確かに楽しいものです。ですが、お客様が好意を持ってくれているという前提で、好き勝手やるようになると、いつかその関係は破綻します。もちろんお互い同じ人間同士、ちょっとの意見の食い違いやすれ違いで、喧嘩になるようなこともあります。慣れてから気をつけなければなりません。

実際私が見聞きしたことをここで紹介したいと思います。お客様が何度となく同じ女性と同伴をした時のこと、いつもの如く、おすし屋さんで高いメニューを一度ならず二度も注文をする女性。彼女は、お客様は何も言わないし、いつものことだからと当たり前のように気にせず注文したわけです。それが毎回繰り返されることに不満を抱いたお客様、ある時私に「お金が惜しくて言ってるわけじゃないんだよ。少しくらい気を使うという気持ちが無いのだろうか」と、頭をかしげていたのです。もちろん彼女には言えないのです。それが男のプライドなのですから。本人にいえない分、他所で愚痴ってしまうというのも男性にはありがちです。

お客様を見ればお金と思うということは、決して悪いことではありません。事実、お客様で私達は生活しているのですから。でも、そこで1人の人間として、しっかり相手の気持ちを考えなくては、この商売は長く続けられません。結局は信用問題。たとえば、水道水を使用しているのにミネラルウォーターとし、お客様から代金を徴収しているお店だったり、ボトルの量を減らしたり、そのようなことをするのも信用に欠けます。どうせ相手は酔ってるし、などと高をくくってはいけません。必ずお客様に見破られます。ですので、何をおいても、すべて誠実さなのです。この業界に限らず、どこでも通用することです。夜のお仕事はある意味、世の中・社会の縮図。それだけ、物事を考えて働くということが何よりなのです。

関連記事
ライタープロフィール

アールさん/女性/年齢:30代/北海道函館市在住/中学生の男の子2人をもつシングルマザーです。ホステスとして働いていますが、空いた時間は趣味のオークションで出品作業。好きなことは読書と音楽・映画鑑賞。ただ、今はちょっとその時間が取れないのが残念。食べて飲んで寝ることが今の楽しみで、それがストレス解消にも。それでも疲れが著しい時は、椎名林檎さんのCDやDVDで英気を養います。