ホステス体験記
ホステスの心遣い、会話術、困った人のかわしかたなどホステスの体験記を紹介。

ド素人からホステスへ〜棘の道へようこそ

2011/08/16

女としてこき下ろされました

私は二十歳前後の頃、初めてホステスの仕事をしました。子供ができるまでの、二年ちょっとの間だけですが・・・。

それから時を経て、離婚を機にしばらくぶりに再開したこの仕事。十年ほどの間、専業主婦だったためか、所帯じみた雰囲気が抜けていないと当時のママによく言われていました。「顔が地味だ」「髪型を変えなさい」「ほんとに昔この仕事してたのか?」など、凹み要素満載の言葉に耐え、時にはお客様に「何か面白いこと話して」と、いきなりハードルをあげられ、どうしたら良いかわからずおどおどしたり、働き始めの三カ月ほどは、毎日のように帰宅して泣いている日々でした。

-私の意気込みと、容赦ないママからの教育-

それでもなんとか歯を食いしばってやるぞ!と思えたのは、昔やっていたという小さなプライドと、子供たちを育てるという責任感。私にはそれしかなかったのです。意気込んで田舎から子供達を連れて出てきたのですから。なので、どんなにいじめがあっても辞めようとは思いませんでした。因みに、今ならガマンできずにすぐ辞めるでしょう。弱くなったというか、逆に強くなったというか・・・。

今思えば相当辛い毎日でした。お客様の前でママにきつく叱られ、背筋が曲がってると言われていきなり叩かれ、そんな毎日。ママはクラブ上がりの上級クラスなので、そういう意味ではとにかく厳しい女性でした。私は必死に食らいつくしかありません。泣きながら悔しさに打ちのめされながら、今に見てろと思っていたものです。思い出せば思い出すほど、辛いものがありますが、やはりその厳しさに私は間違いなく育てられたのです。あの頃厳しく叱られたことにより、私は大きく成長できたと思うのです。

棘の道が舗装されるとき

苦労は身のためになるのだと、今は実感しています。「若いうちの苦労は買ってでもしろ」と、昔の人はよく言ったもの。なるほどなるほど。これは若い頃にはわからなかったこと。

世の中には、辛いことや苦しいことなどたくさんあります。ですが、目を背けたり逃げたりしてはいけない時期が必ずあります。その時は大変でも、必ずや自分の将来を少しばかりでも良き物にしてくれるはずです。私はどちらかというと、何かしらかこつけて逃げようとするタイプ。だけども、こんな私ですら、必死になれたのだから、どんな人も乗り越えられるでしょう。

舗装された道の先は・・・

「人は乗り越えられる苦難しか与えられない。人生試されているんだよ」という言葉を聞いたことがあります。本当にそのとおりで、仕事も私生活も、人生すべて"ほらほら、こんなに大変なことが起きてるよ。君はどう乗り切るんだい?"と、何か意地悪な存在が、私達を試しているのかもしれないのです。

やり切った先には必ず新しい道ができています。私がこの仕事を今でも楽しいと思えるのは、きっとそれがあったからなんだと思います。

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ライタープロフィール

アールさん/女性/年齢:30代/北海道函館市在住/中学生の男の子2人をもつシングルマザーです。ホステスとして働いていますが、空いた時間は趣味のオークションで出品作業。好きなことは読書と音楽・映画鑑賞。ただ、今はちょっとその時間が取れないのが残念。食べて飲んで寝ることが今の楽しみで、それがストレス解消にも。それでも疲れが著しい時は、椎名林檎さんのCDやDVDで英気を養います。