ディナーショウの裏舞台
「ディナーショウの魅力と感動」「ディナーショウの企画&立案」「出演者の選定」「会場設定」「下準備」「進行構成」などディナーショウの裏舞台を紹介します。

ディナーショウの失敗談

2014/02/18

私が主催したディナーショウの失敗談をいくつか御紹介しましょう。今は笑い話として話せますが、当時は顔面蒼白な状態に陥っています。

ディナーショウを一番初めに主催した頃、客席300に対して500枚のチケットを印刷しました。手分けして販売し、販売が300になったら中止しようと思っていたのです。しかし、私の持分がなくなりスタッフに連絡をすると売り切れたと言う返事が返ってきます。早々事務所に全員召集したところ、チケットが400枚以上売れていました。

ディナーショウ開催の1週間前であり会場に行って相談しましたが、ホールを目一杯使用しても300席が精一杯だと言います。払い戻しをするべきか?他に手立ては無いのか?

胃薬を飲みながら悩み続けた結果。ステージの両側を短くしスペースを確保すると、8テーブル追加できる事が判りました。会場にスタッフを集合させ試しに設営してみたら、正面に32テーブル両側に16テーブル、合計48テーブルで、8名と9名のテーブルを作れば400名可能となります。

ディナーショウの当日は、狭いステージを広く活用するためバンドは立ったまま演奏。歌手のスペースはありますが、客席との距離が僅か2mの近距離です。結果的に親近感が生まれ歌手と観客に好評でしたが、やはり息苦しいのはいけません。

話が変りますが、ディナーショウは料飲税の事前支払いが必要になります。チケットを料飲税事務所に持って行き支払い、裏にスタンプを押してもらいます。当初私にこのような知識が無く、申告を行なっていませんでした。ディナーショウの受付ディスクを用意していると、スーツ姿の二人組が尋ねてきます。「料飲税の担当者ですが、主催者はどこにいますか?」と威圧的に質問します。私が名乗り出るとチケットをチェックし「料飲税のスタンプが無いですね」と言います。私が何の事か分からないでいると、係員が説明をしてくれました。

会場にはチラホラとお客さんが見えており、「どうすれば良いのでしょうか?」と聞けば、「今からでは間に合いませんから、明日料飲税事務所に出頭してください」です。出頭って警察みたいですが、脱税行為と同じで刑事罰の対象になるそうです。当日のショウに影響はありませんでしたが「出頭」の言葉が頭に残り一日中憂鬱でした。翌日、料飲税事務所に出頭すると販売したチケット枚数分、料飲税を支払うよういわれました。チケット代金600万の10%ですから、合計で60万になります。全売り上げの10%は、後からかなりボディーに効いてきます。

またまた話が変りますが・・・
地元福岡にキャンペーンでやってきた歌手が、そのまま居ついて歌謡教室を主宰していました。生徒は自称200名ですが、実際には60名くらいかなあ・・と感じていました。歌手は歌謡教室をはじめて1年になり、1周年記念ディナーショウを開催したいと申し出ます。

客席は400名で立食のバイキングスタイル、食後ホールに移りショウタイムという変則です。歌手の指名は三○明でギャラは30万でした。しかし、チケットは2万円ですから400名X2万=800万、ギャラは安いし食事も安いので計算すると650万程の粗利が見込めます。私が全て立て替えることを前提に、マネージメント30%240万で契約しました。

ディナーショウの当日は好評のうちに終了しましたが、楽屋を探しても会場内を探しても、歌手の姿が見つかりません。私が全て支払いを終え、歌手の自宅に行くとドアが開けっ放しで荷物がありません?何と!チケットの売り上げ全て持ち逃げされてしまいました。警察に被害届けを出したら、詐欺師として指名手配されている男でした。

まあ、芸能界は色々な事がありますねえ・・この詐欺師は隣の佐賀県で歌謡教室を開いている事がわかり逮捕されましたが、損害金は返ってきませんでした。 涙ポロリでやけ酒です。

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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。