地方紙の連載体験記
「地方紙の連載で大変だったこと」「失敗談」「どのようなペースで書いたのか?」など地方紙の連載体験記を紹介します。

地方紙の連載で嬉しかったこと

2012/01/16

コラムを書いていて嬉しかったことは、その反応でした。原稿用紙2枚半の短い文章でしたが、わざわざ私の職場まで感動したと伝えに来てくださる方がいたりしました。文章を書く人は、みんな誰かに読んで貰いたいと思っています。読んだ人がどう思うか、それを訊きたいと思っています。だから書き手側にしてみると、文章を書いても何の反応もないのが一番の恐怖で、それほど寂しいものはありません。

勿論、反応は良い方がいいのですが、あまり面白くなかったといわれてもそれはそれで嬉しいものでした。自分の書いたコラムが誰かに読まれている、そう思えるだけ嬉しい気持ちになれるのでした。自信作があまり良い反応ではなかったり、自分では完成度が低いと思っていたコラムの評判が良かったりと、まだまだ読者の視点になって書くことはできませんでした。

あるコラムで、私は自分の失敗談を書きました。それは仕事帰りにスーパーで買い物をしたときのことで、レジでお金を払ったまま家に帰ってきてしまったという内容でした。こういう書き方では分かりにくいと思いますので詳しく書きますと、レジでお金を支払い、買い入れた品物をレジに置いたまま家に帰ってきてしまった、という失敗談です。書いている段階で既に分かりにくいだろうと予測できましたので、出来るだけ細部まで表現しました。仕事帰りでレジに立っていることさえ辛いほど疲れていたので、早く家に帰って寝転びたいと思っていたという内情も書き込みました。ポイントは〈お金を支払う場面があるのに、買い入れた品物の袋を持つ場面がない〉というところでした。

このコラムは、私としてはあまり自信がありませんでした。しかしその反響は大きく、3度読み返したとか、5回読んでみて初めて理解出来たと、皆から興奮気味に話しかけられました。自分では分かって貰えないかもしれないと思って書いただけに、そんな反響がとても嬉しかったことを覚えています。

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ライタープロフィール

キイチロウ/男性/50代/福井県在住/ごく普通の仕事をしていて、ごく普通の考え方をする、ごく普通の趣味を持った、ごく普通の外見の人間です。ただ他の人よりも少しだけ、人間ウォッチングに優れていると自分では思っています。