世界中の人とコミニケーションとる方法
「世界の英語事情」「外国人と仲良くなるには?」「外国で避けた方がいい行動とは?」「現地の人の家に招かれたら」「旅は自分の心を開く実験」など世界中の人とコミュニケーションをとる方法を紹介します。

旅は自分の心を開く実験

2017/12/13

旅行をしようと思いたったとき、そのきっかけはいろいろでしょう。どうしても見たい景色を見に行く、日常を忘れてのんびりするためビーチに行く、日本では買えないものを買いに行く。ひとりひとりに違う目的があって当然だと思います。

わたしの場合は、それは「日本では会えない人に会いに行く」ことです。もちろん日本でも外国人に会うことはできます。でもそれだと各国のエリート層の人か、日本にとても興味があって、初めから日本人と友達になりたいと思っている人に限られてしまいます。

そうではなくて、ひとりの人間として世界の中に飛び込んでいったときに、どんな扱いを受けて、どんな体験をするのか、それが知りたいという好奇心があるのです。

一度グアテマラでスペイン語学校に行っていたとき、学校のほぼすべてが英語圏から来た若い学生、もしくはバックパッカーだったことがあります。国は違っても共通の言語と文化を持つ人たちですから、いつもテレビ番組や季節行事などの話題で盛り上がっていました。彼らは外国に来てまで、自分の国と変わらない安心できる環境に身を置きたがっていたのです。

自分の国の人と知り合うのも、普段出会わない人と出会うという意味では素敵なことです。でもやはり、異文化から来た人と関わり合う刺激には及ばないのではないでしょうか。

もちろんそれは簡単なことではありません。我も個性も強い世界の人たちに揉まれて、ほとほと疲れ果ててしまうこともあります。差別を受けることも、言葉ができないためにコミュニケーションが上手くとれず、悲しい思いをすることもあります。けれどそういうマイナスの体験こそが、どんな状況でも周囲とコミュニケーションをとるんだ、という気概を育ててくれます。

あなたのことを大切に思ってくれる人、あなたが大切に思える人とも出会うでしょう。あなたが嫌いになる人、あなたを嫌いになる人にも出会うでしょう。でもあなたがいつも心を開いて、自分をさらけ出していなければ、そういう濃い感情を抱くことはできません。旅という非日常は、普段厚い殻に覆われている自分の核を取り出す手伝いをしてくれるのです。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。