世界中の人とコミニケーションとる方法
「世界の英語事情」「外国人と仲良くなるには?」「外国で避けた方がいい行動とは?」「現地の人の家に招かれたら」「旅は自分の心を開く実験」など世界中の人とコミュニケーションをとる方法を紹介します。

南米人に家に招かれたら?

2017/12/08

まことしやかに囁かれる話に、「京都の人に家に招かれても、本気にして行ったら嫌な顔をされる」というものがあります。しかし実際生粋の京都人の友人の家に行ってみたら、ものすごい歓待ぶりで、とても楽しかった記憶があります。一般的にまかり通っているステレオタイプの中にも、結局いろんな人といろんな例外があり、一概には言えないということでしょう。

中南米に来て知ったのですが、彼らにとって自分の街にやってきた友人を自宅に招かないことは、人間性を疑われても仕方ないくらい失礼なことらしいのです。しかしそこまでのプレッシャーがあると、実は嫌でも体面上招かないといけない、という事態が発生するのが自然でしょう。これがかなり見極めの難しいところ。何せ彼らは絶対に「社交辞令で招いていますよ」という雰囲気を出さないからです。

一度アルゼンチンにいたとき、インドで知り合ったブエノスアイレス在住の人が、わたしたちがアルゼンチンにいることを知り、「ブエノスアイレスに来たら是非ウチに泊まってね」と招かれました。それはeメールでのやりとりだったので、社交辞令なのか本当に来て欲しいのか、今いち真意がつかめず、そのときは「でもホステル予約してあるから」と返事をしました。

アルゼンチン国内を旅行して回り、2度目にブエノスアイレスに戻ったときも、また「今度こそウチに泊まって」と連絡してきました。本当に来てほしいのだなと思い、とりあえず一度会ってビールでも飲もうよと、会う約束をしました。しかし結果はドタキャンで、その後「いつなら都合いい?」と連絡をとっても、返事は返ってきませんでした。

特に怒らせるようなことをした記憶もないので、本当は特にわたしたちに会いたいわけでも、泊まってほしいわけでもなく、ある種のパフォーマンスとして招いていたのかな、と結論しました。

それとは反対に、初めてメキシコシティに1週間ほど行くことになったときのこと。メキシコシティ在住の友人に「今度メキシコシティに行くから、会ってビールでも」とメールをしたら、やはり「ウチに泊まって」というお招きが。そんなに親しい人でもないので曖昧な返事をしていたら、「本当に心から言ってるから、社交辞令だと思わないで」とクギを刺すメールが来ました。そこで結局ありがたく泊まらせてもらいました。

くり返し招かれても、本当に来て欲しいのかが分からない。かと言って、曖昧な返事をしているとがっかりされてしまう。この「ウチに来て」攻撃は、中南米に来てほぼ2年が経った今でも、見極めが不可能です。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。