チリってどんな所?
「チリ人のスペイン語」「チリの物価と、通貨」「チリの湖水地方、プコン」「チリ人ってどんな人たち?」などチリについて紹介します。

スペクタクルな、チリとアルゼンチンの国境越え

2015/00/00

チリとアルゼンチンはアンデス山脈によって遮られていますが、長距離バスで国境越えする道がちゃんと整備されています。このあたりは、南米で最も国力のある国とされる両国の面目躍如でしょう。

アルゼンチン側の国境近くの観光地、メンドーサから、チリのサンティアゴ行きのバスに乗って、くねくねと山道を登っていきます。2階建ての大きなバスで曲がりくねった山道を通るので、時速は20−30キロほどのゆっくりペース。だんだんと雪を被ったアンデス山脈が近くに見えてくる過程に感動します。この過程でも十分感動して写真を撮っていたのですが、入国管理局のある国境はまさにそびえる雪山の谷間に位置していて、大迫力です。

この国境、行き来の規模に対して入管の規模が小さすぎるのか、長距離バスの大行列ができていました。国境の手前では乗客は強制的にバスから降ろされるので、乗客たちは雪山の斜面を上って記念撮影したり、他のバスの乗客とおしゃべりしたり、思い思いの時間を過ごしていました。

温暖な気候の低地から出発した乗客は、突然雪景色の中に放り込まれるので、半袖一枚で震えている人も結構目にしました。そのため、メンドーサ側からチリ−アルゼンチンの国境越えをする場合は、少なくとも1着は防寒着を用意していった方がいいです。

アルゼンチン出国は簡単なのですが、チリ入国の際にはかなり厳しい荷物チェックがありました。荷物がX線の機械を通ったあと、自分の荷物の前に立たされて、荷物を警察犬が行き来してかぎまわっていました。生ものは持ち込めないというルールがあるようです。

結局国境では2時間ほどかかったでしょうか。国境を過ぎると今度は山道を慎重なペースで下り、一路サンティアゴを目指しました。国境越えと山越えを同時にするという、なかなか楽しい体験でした。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。