チリってどんな所?
「チリ人のスペイン語」「チリの物価と、通貨」「チリの湖水地方、プコン」「チリ人ってどんな人たち?」などチリについて紹介します。

肉食文化と海鮮が融合したチリ名物・クラント

2017/03/15

チリ シーフード料理

シーフード料理

南北に細長いチリは、なんと3000キロにも及ぶ海岸線を持っています。そのためシーフード料理がどこに行っても食べられるという、日本人にとっては嬉しい国。しかしやはり南米という土地柄、料理法も日本とはだいぶ違います。

魚のフィレなどは軽くフリルしたり、エンパニャサーダというフライのような調理法で食べたりと、あまり日本と変わりはないのですが、インパクトが強かった海鮮料理は、クラント。これはムール貝などの数種類の貝類に、豚肉、鶏肉、ソーセージなどのあらゆる肉類を入れて煮込んだもの。あとはじゃがいもを入れて炭水化物もばっちり…って、どうにも海鮮料理には聞こえません。

始めてこの料理を見たときは、何となく海鮮に対する侮辱のような気がしてしまったものです(笑)海鮮だけで美味しいのに、なぜ肉を入れるんだ! と。でもこれ、食べてみたら意外に美味しいのです。魚介出汁に、肉の脂が絡んだ濃厚な味わい。何かに似ている…としばし考えて、おでんに似ていることに気がつきました。

日本のおでんにも、よくロールキャベツとか牛串とか、ソーセージとかが入ってますもんね。あの味わいにそっくりです。

チリの冬に当たる7-9月は、地方によっては昼間でもかなり冷え込みます。そんなときこのチリのおでん、クラントを食べると、心身があったまってほっとするんですよね。

ただこの料理、ものすごくボリューミーでこってりしているので、ひとりでオーダーするのはおすすめできません。2人以上でレストランに行って、何かもう1品さっぱりしたもの(って言っても、南米ではそれが難しいのですが。魚のグリルとか?)を頼んで、シェアするのがベターです。

南米の肉食文化と、海運国である特徴を生かした料理、クラント。チリを訪れた是非試してみてください。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。