チリってどんな所?
「チリ人のスペイン語」「チリの物価と、通貨」「チリの湖水地方、プコン」「チリ人ってどんな人たち?」などチリについて紹介します。

びっくりするほど他と違う、チリ人のスペイン語

2017/03/09

中南米ではブラジルをのぞき、すべての国の公用語がスペイン語。そのため一度簡単なスペイン語を覚えてしまうと、どこを旅行するにも便利です。

というのが共通認識なのですが、現実問題として各国のスペイン語はアクセントがかなり違います。ボリビア、ペルー、エクアドルなど、先住民人口が多い国では比較的発音がクリアで、ゆっくり話してくれるのですが、難しいのはアルゼンチンやチリなどの白人人口が多い国。

特にチリは、口の中にこもるような発音でしかも早口、語尾のsと母音が落ちるという特徴があり、難儀しました。チリに行くまでに半年ほどスペイン語学校で勉強したこともあり、もうかなりスペイン語での会話には慣れていたつもりだったのですが、チリで撃沈。

チリの人は親切なので、ゆっくり喋ってくれるようお願いすれば何とかコミュニケーションはとれるのですが、それでも言葉の問題でトラブルになってしまったことがありました。

町から町に移動するとき、バスターミナルからのバスの時間を確認しました。ローカルバスだったので前もって発券するチケットはなく、口頭でインフォメーション係に確認。そのとき係の人は「2時(a las dos)」と言いました。2時までにはまだ時間があったので、一度町に戻って食事などをし、1時45分ころターミナルに戻りました。

すると、目当てのバスはもう出てしまったとのこと! どうして、とインフォメーション係に詰め寄ると、「2時って言ったじゃない」と繰り返すのです。だから2時前に戻ってきたじゃないか、と返すと、dos、dosと繰り返すのですが、そこでやっと「12時(doce)」のことだと気がつきました。語尾の母音が落ちるので、わたしたちには「2時(dos)」に聞こえてしまったのです。

それからというもの、どこの国に行っても「12時なのか、2時なのか」をしつこく確認する癖がつきました。今となっては笑い話ですが、チリのスペイン語の難しさが垣間見えるエピソードです。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。