営業職の体験記
「営業職のオモシロさ」「受注を取り逃がした苦い体験」「仕事を円滑に進める社内営業」など、14年間の営業職体験から得た事を紹介します。

営業とはしゃべる仕事ではなく、人の話を聞く仕事

2012/08/24

一般に営業職の人は、口が上手いなんて話を耳にしたことがありませんでしょうか。確かに、売りたいと思っているモノの説明をキチットしなければ、そもそもモノなど売れる筈がありませんから、そうした意味では、多少は喋るのも上手くなっていくものかもしれません。しかし、よくよく考えてみると、そうした商品説明などは、カタログやパンフレットに書いてありますから、いちいち教えてもらわなくとも読めば分かることです。

さて、私が営業職として、客先での対応や話し方などで悩んでいた時のこと、会社の先輩からこんな話を聞きました。実際にあったことらしいのですが、コピー機のトップセールスマンという人がいて、その人は、喋るのが決して上手くないどころか、むしろ訥弁ですらあったのだそうです。ところが、その彼の手からは、コピー機がどんどんと売れていくとのこと。さて、では、その理由はというと、彼は実によく話を聞くのが上手い人であったとのことでした。

つまり、一口に話しが上手いといっても、話していく側として上手いのと、相手に話しをさせるための話しが上手いのとの二通りに分かれるのです。そして、後者である相手の口を開かせるための話しの上手い人とは、相手の話しによく耳を傾ける聞き上手な人ということで、そして、そんな人であれば、必ずしも水がサラサラと流れるような流暢な喋り方でなくとも良いのです。それよりは、むしろ相手の心の奥底を覗き込むように、じっと話しに耳を澄まし、その要求に応えていこうとすることなのです。

このことは、普通の友人同士の会話でも同じことが言えます。友人の多い人、友人から好かれる人、あるいは友人から心を開いてもらえる人というのは、多くの場合、積極的に相手の人の話しに耳を傾ける人が多いのではないでしょうか。もちろん、人が人の心の奥底まで分かる筈はありません。しかし、分からないからといって目や耳をそこで閉ざしてしまうのではなく、分かろう、分かっていこうという、誠実で前向きな態度や振る舞いが、相手の人の心を大きく開かせていくのです。そして、そのようにして出来上がった信頼関係があれば、実は、どんなモノでも自然に売れていくということなのです。

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ライタープロフィール

ガクドウさん/男性/年齢:50代/横浜市在住、サラリーマン時代から、文章を書く仕事に携わっていた関係から、現在はライターを職とするようになりました。人からちょっと変っていると言われますが、その分、ちょっと違った角度から物を書くことが出来ると思っております。よろしくお願いします。/ブログ