旦那様はニュージーランド人
ニュージーランド人の旦那様と結婚した山下さんの面白い話。

年下、定期収入なし、会ったばっかり、言葉が違う・・・そりゃ反対するだろ!

2010/12/15

ふたりが出会った当時、まだお互いに二十歳を少し過ぎたばかりでした。それどころか、彼はわたしより若く、2、3歳年下でした。

ところで、ニュージーランドでは大都市を除いて、いわゆる「サラリーマン」という職種についている人はあまり見かけません。また、大きな企業や高度な専門職でない限り、給料は月給や年俸制ではなく週給で支払われるのが普通です。ある程度の役職についていても、給料が時間給ということもあるのです。ただ、こちらの人はそのほうが公平だと思っているようではあります。

また、仕事を辞めたい場合は、店長クラスであれば後任を考えて1〜1.5ヶ月くらい先に伝えるのが親切ですが、法的には2週間前に伝えればよいことになっています。逆に解雇する側も、2週間前通達でよく、よほど問題がある場合は1週間の給料を余分に渡すことで実質1週間後に解雇することも可能です。

同じ仕事を長期にわたって続けることは極めて少なく、また出世するなら同じ会社内ではなく、より良い条件と地位が確保されるところを自ら見つけて転職します。いいかえれば、昇進を期待してがんばっていたら、いきなり外部から上司がヘッドハンティングされて入ってくるようなことがごく当り前なのです。つまり、転職しない人はまじめで根気強いのではなく、チャレンジ精神がないとか、能力がないとマイナスにみなされてしまうこともあるのです。

なお、この国は自営業率が高く、自分の技術で独立して働いている人が相当存在しています。わたしの夫となった人も自営というかフリーで、いわゆる「便利屋さん」です。何でも作れて、何でも修理できてしまいます。

ニュージーランドの人はDIY(do it yourself)気質が多く、驚くことに、大抵のものを自分で修理してしまいます。おうちのガレージにはまるで小さな町工場くらいの工具がそろっており、ちょちょいと直せてしまうのです。

壊れたら、電話をかけてプロに来てもらって修理してもらうという感覚は、こっちの人にはまったくないようです。

ただ、それは幼いころにお父さんの大工仕事をそばで見ていた影響が強いようです。けれど、最近は大工仕事よりコンピューターをいじるお父さんが増えているようなので、将来的にはこの気質は変わるかなという気はします。

さて、そんな何でもできてすごい!夫ですが、わたしの両親のウケは最悪でした。

? 20歳そこそこ、それも年下
? 雇用されていない(父さんの時代は、終身雇用のサラリーマンが当たり前!)
? 出会ったばっかりで、交際期間がないでしょう!
? あなた、英語まったく理解できないでしょ。

これだけの条件がそろっていて、もろ手を挙げて賛成してくれる親はそうそういないでしょう。

両親や兄弟には「3年くらいつき合って、ちゃんとお互いを知り合って、きちんと就職して、言語が同じ人と」結婚するように諭されたものです。

ただ、ニュージーランド側の人々はま逆で、全員一致で「自分が結婚するだけでしょ?親が結婚するわけじゃないし、何でごちゃごちゃ考えるの?」という反応でした。

とにもかくにも、反対はされても、別に足に鎖をつけられて拘束されているわけではないので、とっととふたりで婚姻届を出したのでした。

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ライタープロフィール

山下なおこさん/女性/年齢:30代/ニュージーランド滞在(16年以上)、自然と素朴な料理が好きな女性です。