自然を楽しむアウトドア
地球って素晴らしい。自然と一体になる特別な体験。

月夜沢林道vol.2/木曽路はすべて山の中である

2010/08/15

「木曽路はすべて山の中である」

島崎藤村の「夜明け前」の冒頭を、塩尻で高速を降り目的地に向かうにつれて、目の前に広がって行く風景が思い出させます。その山の中に、通行手形を持たない人々が月明かりを頼りに関所を抜けるために通ったという月夜沢林道はあります。その月夜沢林道を今回は開田村から奈川村へ抜けるルートで辿ることにしました。

開田村から月夜沢林道へ入ると左手にきれいな川が流れているのが、雑木林の向こうに見えてきます。しかし、車を止めて遊べるようなスペースもなく、仕方なくスルー。「もう少し広いところに出たら遊ばせてあげるね」と、川の気配を感じ騒ぎ始める犬たちに鳩山総理のようにその場限りの言い訳をし、車を先に進めます。しかし、広いところはおろか、川からはどんどん離れて行く一方です。だんだん狭くなる道幅に、買ったばかりの新車は両脇から道にはみ出るようにかかる雑草にビシバシ叩かれ、きーきーと音を立て枝にこすられつつ進んで行きます。

「ひ〜傷が付く!」

しかも、最近降った雨のせいなのか、道の真ん中が大きくえぐれてしまっています。ダートを走りたいとは思っていたけれど、まさかここまでとは!

「4駆だもん通れるよね?」

「たぶん?」

と、心許ない相方の返事。そろそろと、細心の注意をはらってそのくぼみをやっとの思いで抜け、開けてくる景色。車の脇は切り立った崖、所々崩落した様子で道には割と大きめな岩がごろごろ転がっています。それを崖から落ちないようによけつつ、やっとの事で峠に到着です。すると普段は写真になど興味も示さない相方が、ここまでの道のりがよっぼどしんどかったのか、犬と一緒に記念撮影。しかし、その後の峠から奈川村に下りる道の方が、もっと怖かったと相方から聞いたのは、家に戻ってからの事でした。

何故?って、もう峠を見た満足感で、私は助手席でしっかり眠り込み、気づいたらキャンプ場目前。一人恐怖と戦い、買ったばかりの新車を擦り傷だらけにされた相方は「もう林道には行かない!」と、二度と林道走行の企画に乗ってくれなくなってしまいました。

残念ながら最初で最後となった林道の旅のお話でした。

月夜沢林道|林道への案内板
月夜沢林道

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ライタープロフィール

わんこMAMA/女性/年齢:50代/東京都在住、「ほんとに50かよ!」(ちらっと、そんなブロクも始めたけど三日坊主)といいたくなるほどの行き当たりばったりでいい加減な人生を送っております。趣味が多すぎて手が回らないという、本末転倒というか、ただの三日坊主というか……。一体あたしはどうなりたいのか!?