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ネパール/おどろおどろしい神々と奇祭インドラ・ジャトラ

2012/11/01

ネパール/奇祭インドラ・ジャトラ

ネパール/奇祭インドラ・ジャトラ

9月。チベットからネパールに入った時のことです。何か大きな祭りがあるんだという噂を聞いて駆けつけてみると、そこは人の海。日本に帰ってから調べたところ、神々の王「インドラ」を迎え入れる「インドラ・ジャトラ」と呼ばれる祭りだったそう。

ここは、カトマンズでは有名な観光名所で、古くは宮廷として機能していたダルバール広場です。シヴァ神などヒンドゥー教の神様の寺院や、生き神として崇められている「クマリ」と呼ばれる少女が住む館、王宮などがあります。

この日は、警察官が広場中にびしっと並び、楽器が鳴り響いていました。山車や白い象のようなものが通りすがったり、ヒンドゥー教独特の世界観が繰り広げられています。広場の建物には、国王や生き神を一目見ようと、とにもかくにも人、人、人・・・サリーの色が鮮やかで、祭りよりもこちらのカラフルさの方が目立つほどでした。

さて、祭りに登場する神々の姿、踊り子たちの姿、そして周りを囲む寺院に祭られる神々の姿をよく見ていると、日本人にはなかなかなじみづらい、まがまがしさ。

極彩色だし、顔の色が青かったり黄色かったり赤かったり、顔の上にたくさん顔が乗っていたり・・・。しかし、実はヒンドゥー教の神々は、仏教に取り入れられ、名前や姿を変えながら日本にも伝来していたりします。たとえば、豊穣の神様として知られる大黒天は、マハーカーラという神が由来。女性像の吉祥天は、女神ラクシュミー。

そう思ってヒンドゥー教の寺院とチベットの寺院で神様の姿をよく見比べてみると、実は近い要素があることがわかります。仏教は仏教でも、チベット密教の仏画には、おどろおどろしい顔をした神様がたくさん出てくるんですよね。

こうした文化の伝達、変遷をより強く体感できるのも、ヒンドゥーとチベットの中間地点にあるネパールならでは。特に、踊りや儀式などの出し物があるお祭りに顔を出してみると、たくさんの神様の姿かたちが出てくるので、これに注目してみると、文化の流れのようなものが体感できて、楽しいですよ。

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ライタープロフィール

中花香さん/女性/年齢:20代/鎌倉出身/会社員/海外旅行、バイオリン演奏、ライブなどが趣味。好きなものは映像、絵本、仏像などです。