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ネパール/白いドームと悟りの眼が町を見守る―ボダナート

2012/10/30

ネパール

ネパール

バイクで市街の渋滞をすり抜けていくと、突如、大きな白いドームと、そこから伸びる塔に描かれた智慧の眼が、現れます。塔の上からは五色の旗がきらきらとはためき、そこは明らかに異質な空気感が漂っていました。

「ボダ」は「仏陀」、「ナート」は「神」を意味する、ボダナート。ネパールの首都カトマンズ市内にあるここは、世界遺産にも登録されているチベット仏教の仏塔(ストゥーパ)です。

仏塔とは、もともとは、お釈迦さまの遺骨を納めた塔のこと。日本の寺では、五重塔にあたります。あまりにも形が違うので意外に思われるかもしれませんが、もともとは、丸いドーム形をしていたんですね。

仏教徒は、毎日毎日、このストゥーパの周囲を、時計まわりに周り、祈りをささげます。

この場所が気に入っていた私は、ある日、夕暮れ時のボダナートへやってきました。夕日が差して白いドームは赤く染まり、塔の金の色がとてもきれいでした。人はいつも以上に多くて、みなゆっくりと、ゆっくりとこの塔の時間を楽しんでいるようでした。人も犬も、みな分け隔てなく、塔の周りを周る―その姿は本当に幸せそう。

さて、その日、夜が来ると、停電が起こりました。ネパールでは、首都であるカトマンズでも、まだ停電が多かったのです。しかし、慣れているからなのでしょう、停電で怒る人なんて、いません。すぐにあちこちでキャンドルが灯され、みな自然に笑いながら時間を過ごしていました。

電気がなければ、キャンドルを灯せばいい―人間の技術には所詮限界があること、快適な生活が当たり前ではないことを知っているこの国の人たち。ゆっくりと、塔の周りを歩けば、きっと毎日幸せになれると信じている人たち。その表情が、今の日本だからこそ、妙に思い出されます。

何か不安に思う時、心配事が絶えない時、一度、ぜひこのボダナートに来てみてください。仏の目に見守られた、違った時間の流れを、きっと感じられるはず。

さて、おみやげには、カトマンズ中で流れている、下記のCDがおススメです。「オムマニペメフム」という仏教の祈りの言葉を音楽にのせたもので、ネパールの旅行中、どこへ行ってもこのCDが流れていました。これを聞くと、いつもネパールを思い出すんですよね。

おすすめCD Tibetan Incantations

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ライタープロフィール

中花香さん/女性/年齢:20代/鎌倉出身/会社員/海外旅行、バイオリン演奏、ライブなどが趣味。好きなものは映像、絵本、仏像などです。