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鹿児島県/平和の尊さと自分の甘さを思い知らされる鹿児島・知覧の旅

2013/02/05

鹿児島県には、知覧という街があります。知覧は、「知覧茶」というおいしいお茶の栽培地であることも有名ですが、もうひとつ有名なスポットがあります。それは、「知覧特攻平和会館」です。ここでは、太平洋戦争の際に組織された「特攻隊」の隊員たちの遺品や遺書などが展示されています。おそらく、ご存知の方は少ないのではないでしょうか。

私も、先に訪れていた兄に勧められて、この場所を訪れました。知覧特攻平和会館には、日本人の老若男女はもちろん、多くの外国人観光客の方々も訪れていました。

中に入るとまず、壁一面に描かれた特攻隊員たちの名前の札。そのあまりの多さに驚きます。そして、特攻隊の方々の年齢の若さにも驚かされます。まだわずか10代の少年兵たちも、多数、特攻隊に参加しているのです。そのひとりひとりが、知覧を飛び立つ前に、自分の両親やきょうだいに手紙を書いています。ひとつひとつを丁寧に読んでいると、日本国の勝利を信じて、お国のために自らの大切な命を無駄に散らせていった方々の姿が浮かんできて、涙をこらえることができませんでした。彼らは、もうすぐ迎える「死」という恐怖に立ち向かいながらも、愛する家族の無事を祈り、散っていったのです。とても10代の少年が書いたとは思えない、しっかりした文章ばかりでした。両親へは、今まで育ててもらったお礼、体を気遣う言葉、きょうだいたちにはしっかり勉強して立派な大人になるように、両親を助けるようにという訓示。「お国のために死ねるのは本望だ」という言葉。実際には、お国のためにと言う前に、家族のためにという思いが強かったのでしょう。

今の日本人の若者を思えば、信じられないほどしっかりした若者たちばかりです。それなのに、まだまだ死ななくてもいい命を失わなければならない。若者たちは、出撃前夜は、寝床である三角の形をした兵舎で、布団を頭からかぶって、隠れて泣いていたそうです。本音では死にたくない、死が怖いのに、それを隠して、出撃直前は笑顔で写真に写っていた若者たち。その写真も、記念館には多数展示されています。子犬を抱っこして、友人たちと笑いあう姿は、とても今から死にゆく人の笑顔だと思えません。まだまだ幼さの残る、かわいい男の子たちです。戦争と言うもののむごさを心底感じました。

この記念館をじっくりご覧になりたい場合は、およそ5時間ほどの時間を取られたほうがいいと思います。実際私も、お昼に入ってから、閉館時間まで釘づけになって見学しました。

戦争を知らない私たち世代は、是非行っておきたい、いや、行くべき場所だと思います。私も、子どもたちが大きくなったら、必ず連れて行こうと夫と約束しています。

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ライタープロフィール

オッチマーさん/女性/年齢:30代/兵庫県在住/フリーター、法律事務所職員、幼稚園教諭を経験後、現在は主婦&もうすぐ3歳児のママを頑張り中。楽しいことが大好き、家族でおでかけが大好きです♪