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チベット/手の平で響く宇宙 ― シンギングボウル
2013/03/01
チベット シンギングボウル
旅先で、その国にある楽器を探して歩くのも、楽しみ方の1つです。よく聞くのは、インドのタブラやアフリカのジャンベなどの太鼓にハマってしまったという旅人たち。代々木公園では、気ままに集まった仲間で民族楽器を楽しんでいるグループを、よく見かけます。
さて、チベットの楽器はどうでしょうか。笛系、太鼓系、鐘系などいろいろありますが、今回は、比較的手にしやすく、独特な響きが魅力的な、シンギングボウルをご紹介します。
シンギングボウルは、チベット仏教の法具のひとつ。形は、お仏壇などで、ちーんと鳴らす、おリンに近いでしょうか。金属でできた鉢と、木の棒でセットになっています。
さて、どのように演奏するのでしょうか?(もちろん、ちーんではありません)
ボウルの外側に棒をうっすら当てて、時計回りにぐるぐると回していきます。すると、摩擦が起こり、程よい按配になったところで、不思議な響きが鳴り始めます。最初のうちは適度な摩擦感がつかめずつっかかってしまったり、上手くいきませんが、次第にできるようになってくると思います。
音の響きは、宇宙そのもの。鳴らしているうちに、自分が音の響きに吸い込まれていくような、手そのものが楽器になってしまったような、不思議な感覚にとらわれます。そう、手の中に、宇宙があるんです。この楽器が、チベット仏教の思想を体験するためのものなのだという事が、よくわかります。
ちなみにこの楽器、かなりマイナーなものだと思っていたのですが、知り合いの作曲家さんに話をしたところ、彼女も大のシンギングボウルファンだったことが発覚。音楽に興味を持つ人がこの楽器に惹かれるのも、ヨーロッパや日本の楽器ではなかなか出せない音をしているということなのだと思います。
町中にある出店やチベット美術を扱ったお店で手に入れることができるので、チベットを訪れた際には、ぜひ探してみましょう。小さいものから大きいものまであり、大きさによって音域が異なったり、柄も様々なものがあるので、気に入ったものを試してみてください。
中花香さん/女性/年齢:20代/鎌倉出身/会社員/海外旅行、バイオリン演奏、ライブなどが趣味。好きなものは映像、絵本、仏像などです。