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チェコ/東欧の薫り漂う、プラハ マリオネット紀行

2012/12/21

一時期、チェコアニメブームともいえる風潮が、日本にもありました。東京のミニシアターではさかんにチェコアニメ特集が開かれ、DVDがたくさん発売されていました。中でも、人形を使ったコマ撮りアニメが有名で、そのかわいさにハマっていた私は、チェコへの幻想を膨らませていました。

しかし、なぜチェコなのでしょう?
それは、チェコの政治的背景に理由がありました。第一次世界大戦中、ドイツに支配されたチェコでは、言語統制が行われ、チェコ語を禁止されていたそうです。ところが、言い回しが独特な人形劇だけはチェコ語で上演することが許され、自分たちのアイデンティティを守るため、また、政治への不満や批判を織り交ぜた表現活動をするため、人形劇が活発になっていったということなんだそう。

だからでしょうか、マリオネットたちの表情も、子ども向けというよりは、少し大人びた表情をしたものが多いんですね。暗さの中に豊かな表情を秘めているような・・・。とにかく繊細で独特、洗練されたチェコマリオネットの魅力に惹かれ、私はチェコへと旅立つことを決めていました。

いざプラハに降り立ってみれば、そこは期待通り、メルヘンな人形劇の世界が広がっていました。

通りのあちこちにあるマリオネット屋さん。店の看板の上に座る人形たち。広場にある有名な天文時計にはからくりがしかけられており、一定の時間になると人形たちが踊り出す仕掛け。路上でマリオネット劇を披露するおじさんたちの姿もしばしば。私は、思わず物色してまわってしまいました。

売られているマリオネットは多種多様。ピエロのような人形もあれば、悪役の悪い顔をした人形もいる。かと思えば、ピノキオなど有名なキャラクターもいますし。ただ、日本人のセンスではまず生まれないような、興味深い表情をしていることだけが、共通しています。

人形なんて興味ないよ、という人も、この町に来れば、きっと東欧独特の薫り漂うマリオネットの魅力に興味を持てるはず。お気に入りの一体を、探しにいってみませんか?

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ライタープロフィール

中花香さん/女性/年齢:20代/鎌倉出身/会社員/海外旅行、バイオリン演奏、ライブなどが趣味。好きなものは映像、絵本、仏像などです。