こだわりの趣味
夢中になれるって幸せ。心満たされる特別な時間。

書道/一枚の半紙と向かい合う、上質な時間

2010/04/11

さえら

慌しく過ぎる日々の中でふと、心を落ち着けたいと思う瞬間があります。ごちゃごちゃとした雑念を忘れ一点に集中したいそんな時、一枚の半紙に向き合う書道の魅力を再確認します。

わたしが通う書道教室には小学生から年配の方まで、幅広い年代の方が来ています。小学生低学年はひらがな、成長に合わせて簡単な漢字が含まれていきます。中学になると、教科書などで使用されている楷書(かいしょ)から、少し字体を崩した行書(ぎょうしょ)を習い始めます。その後、さらに流れるような字体に変化した草書(そうしょ)があります。ペン字、小筆で手紙の文面を練習するもの、半切(細長い半紙)など、さまざまに習います。

今、毎日が猛烈なスピードで過ぎていくように感じますが、書道教室の空気はとてもゆったりとしていて、先生や生徒さんとのおしゃべりも、ほっとさせるものがあります。それに、一生懸命練習したとしても、すぐに上達することはありません。一級一級、上級にも時間がかかります。「地道に続ける」。そんな言葉がぴったりの稽古事です。

書道をはじめて、日本語の美しさを改めて感じました。楷、行、草と、自由自在に変化していく曲線、一文字から次の文字への運び、点、はね、はらいがすべて繋がり、大きな流れの中にいくつもの文字が存在します。大らかに伸ばす部分、ぐっと半紙に食い込むように筆を押さえる部分。強弱をつけて、リズムにのって書けた時の気持ちよさは格別です。

メールやPCばかりで字を書くことが極端に少なくなった今でも、墨の匂いをかぐと気持ちがほぐれ、文字の大切さを考えます。自分の名前を書く時、少しでも自信を持ってしっかりと書きたい。そんな気持ちが、継続の力になっています。

「練習しなくたっていいのよ。休みながらでも、どんなに細くても、長く続けることが大切なの」。忙しさのあまりブランクをおいた私への温かい恩師の言葉を胸に、半紙に向かう日々はこれからも続きそうです。

ライタープロフィール

miniさん/女性/年齢:30代/北海道在住、旅・読書・創作に意欲を燃やす30代女性です。神社仏閣巡りや自然を感じられる場所(海、山、川など)で過ごす時間も大好きです。与えられた時間と体を使って、今日を無駄にせずハッピーに生きましょう♪