みんなの五つ星グルメ

これぞ美味！みんなが見つけたとっておきのグルメを紹介します。

しゃぶしゃぶ／かっこつけたいときの接待に：東京都千代田区

2010/04/03

お肉（主にしゃぶしゃぶ）と、手打ちそばの店です。夜のしゃぶしゃぶのコースは１万円前後。ある企画の打ち上げ（予算がかなり残ったのです。こんなことはめったにありません）で行きました。そんなわけで「常連」ではないことは、おことわりしておきます。

黒澤明監督とゆかりのある店らしく（氏は相当な肉好きで、健啖家だったとか）、店のつくりは、作品に出てくる武家屋敷のよう。黒を基調にしたシックな店内には自筆の絵コンテなども飾られています。クロサワ映画のファン（インテリ？の中高年男性は、たいていそうです）なら、いろいろ語りだすはずです。コースの名称も「乱」とか「隠し砦の三悪人」とか、クロサワ映画の作品名です。

黒牛と黒豚のしゃぶしゃぶの両方をいただきましたが、どちらもけっこうでした。私は牛肉より豚肉のほうがやや好み。バラ肉やロースだけでなく、脂肪の少ない部位もあって、もちもちして甘みのある、お肉とあぶらみの旨味が楽しめます。前菜や向付といったお皿にも手抜きはなく、このメニューで、このロケーション（東京メトロ・溜池山王前駅の目の前）なら、コストパフォーマンスとしてはむしろおトクかも知れません。

ここでのお楽しみは、もう一つ。手打ちそばです。バブルのころ、「東京のそば通は、車を飛ばして、山梨の『翁』まで食べに行く」とうたわれた、ほとんど伝説的なそば職人・高橋邦宏氏直伝のおそばを出すのも「売り」なのです。しゃぶしゃぶとおそばは別のフロアですが、しゃぶしゃぶのコースのお客でも、おそばはオーダーできます。で、そばを語るなら、やはりシンプルな「せいろ」に尽きる。香りゆかたで、ほのかな甘みも感じられる、のどごしも申し分ないおそばが味わえます。

場所がら（なんといっても永田町です）、接待に使われることが多いのでしょう。お座敷（個室はサイズにもよりますが、5000円程度のルームチャージが必要です）は高級料亭（行ったことはありませんが）な雰囲気で、仲居さんのサービスも行き届き、ビールやお酒の種類も豊富です（財界人は、それぞれの会社の提携の関係で、「〇〇ビールしか飲まない」とか、いろいろシガラミがあるようです）。というわけで、接待や打ち上げ、田舎の両親に「東京で成功してるんだ」と見栄を張りたいときなどにおすすめのお店です。

永田町黒澤
永田町黒澤　グルナビ

オオタクーミンさん／女性／東京在住、もしかして「鉄子」と「歴女」のさきがけだったのかも知れない、ぎりぎりアラフォー世代のライターです。小さいころから、愛読書の１つが時刻表で、プライベートの国内旅行には、たとえ北海道を旅するのにも、飛行機を使うなんてことは、はじめから考えない、まったく日航を応援してない日本人です。