- みんなの五つ星旅行記
- なんて旅は良いんだろう。思い出に残ったとっておきの旅行記を紹介します。
楽しい、悲しいグアム
2013/03/31
グアムは第二次世界大戦中に戦場となりました。最近では南国リゾートといったイメージが強いグアムですが、島を歩けば残された武器倉庫や防空壕など歴史の跡を目の当たりにします。実際に見ると生々しく怖いのですが、できたら恐怖感に打ち勝ち積極的にそれらを見に行って下さい。日本人として大事なことです。
ガイドが解説してくれる「戦跡巡りツアー」もあります。1人でそういった場所に行くのが心細い場合にはツアーに参加するといいでしょう。戦跡が入り組んだ場所にもあるので、ツアーに参加したほうが効率よく回れます。
グアムと日本には歴史的な関わりがあります。島中に米軍や日本軍の武器が残っています。グアムのお年寄りの中には、日本語をまだ覚えている人もいます。彼等は日本の占領下時代に日本語教育を受けています。私もお年寄りに日本語で話しかけられました。「私も少しは日本語が話せるんだよ、でもほとんど忘れてしまったね。」しっかりとした口調だったのを覚えています。
お年寄りと話し戦争の生き証人がいることを肌で感じました。歴史でも戦時中グアムが戦地化したことは習いますが、実際にそこに生きていた人と会ったのは史実として学ぶより強烈でした。年々減って行く戦争の生き証人の話は貴重なものです。リアルで印象的でした。
私の祖父も戦時中ソロモン諸島の工場で戦闘機を製造していました。私は今、観光客として楽しむために太平洋諸島に行く事ができますが、半世紀前の日本人はまったく違う理由でこの島々にいたのです。そうやって考えると感慨深いものがありました。太平洋諸島と日本人には切っても切れない歴史的なつながりがあります。
「バカンスでグアムに来たのに戦跡巡りなんて..そんな気分じゃない」という人も多いことでしょう。旅行の仕方は人それぞれですが、民族も歴史的背景も違う場所に行き、そこに暮らす人々と触れ合い、その国についてもっと知ることが海外旅行だと私は思います。グアムに行く際には少なくとも戦争の歴史を心に留めておきましょう。
MIKIさん/女性/年齢:20代/ベルリン在住/海外旅行が趣味で南国に語学留学をしました。世界各地に滞在しアーティスト、ライターとして活動しています。