失敗体験談
失敗は多くのものを学べる教科書!みんなの失敗体験談を紹介します。

もう少しで店長、オーナー一同、お客に頭を下げなければならない所でした

2014/03/19

ある弁当屋さんでアルバイトをしていた頃のことです。その弁当屋さんは、昼食時には行列をなすほどよく繁盛していました。行楽シーズンともなると、一度に何十個という配達分まで作りながらの接待。水を飲む時間も惜しいほどの、忙しさになります。

私は、注文、レジ、できた弁当の詰め合わせ、その合間にご飯炊き、電話対応と店の中では一番初心者の行うことをやっていました。それでもわたしにとっては手一杯です。

それでも、そういった環境に慣れつつあったころ・・・

いつものように、お客さんは店いっぱいになり、レジを必死にこなしていました。残りのご飯の量も気になり始め、少しの間をぬってご飯を洗い、水を入れ、火にかけ・・・たつもりでした。

出来上がるはずの時間、11時すぎにふたをあけると・・・何度見ても、やわらかくふやけた「こめ」ご飯ではなく、「こめ」なのです。頭が真っ白になっていた私の様子をおかしいと思った店長が「どうしたの?」と忙しくしつつも、やさしく声をかけてくれます。「こめなんです」というのが精一杯。そして状況を把握したオーナーがひとこと「そういえば、さっき、水を入れないで、火をつけてたで」と。

見てたのなら言ってよ〜。なんて言ってる場合ではありません。ふやけた5キロ分の「こめ」をゴミ箱にへ投げ捨ててさよならを告げ、次なる米を炊き始めました。

しかし、お客はまだまだ押し寄せてきます。ご飯のない弁当屋。オーナーと店長がお客に謝る姿を思い描きながらひたすらご飯が炊けるのを待ちました。その時間は本当に長〜く感じられました。幸い、最後の一杯を出したところで、次のご飯が炊きあがりました。

そんな私を責めることなく、その上5キロの米を賠償させることなく寛大に許してくださったオーナーと店長には本当に感謝しています。また、水がなく炊いてしまった鍋もその後普通どおりに使えることに、ホッとしました。(もし、焦げ付いて使いものにならなくなったら、かなりの損害でした)

そしてその後は、どんなに忙しくても、何ども火がついているか確認をし、ちゃんとご飯の水が吹きこぼれるかを確認するようになりました。

ライタープロフィール

ヤンヤンさん/女性/年齢:40代/中国在住/5歳からピアノを習いはじめ、9歳でエレクトーンに変更。学生時代はバレーボール、テニス、バドミントンを経験。卒業後は、塾講師を経て、2006年末から中国で生活。一時期、日本語教師をしていました。現在は、中国語を勉強しています。