感動した話
思い出すとジーンとくる…感動した話を紹介します。

無私の愛を示してくれた中国人

2014/03/11

中国へ引っ越ししてきて間もない頃のころです。中国人が住む一般の住居を借りて住むことにしました。住んでしばらくすると、トイレの水がチョロチョロと流れっぱなしなのです。いったいどこに電話をしたらいいのかわかりません。

そんな時、私の友人の友人の中国人が事情を聞いてかけつけてくれ、すぐに修理屋さんへ電話をしてくれました。

ところが、こちらの修理屋さんというのは、素人同然でこの部品がない、あの部品がないと言いだすのです。するとその中国人の友人はせっせと私たちの代わりに必要な部品を調達してきてくれるのです。

また、水が完全に止まっていないにもかかわらず、「もう、こんなもんでいいだろう」という修理屋さんを前に、中国語がおぼつかない私たちに代わってしつこく食い下がって徹底的に治させてくれました。またその間、その友人は修理屋さんのお手伝いをしつつ、いろいろチェックしてくれました。

そしてあとでその友人が言うには、自分のことだったら、もう少しいい加減な段階であきらめる。でも、あなたたちのためだから、ここまでしつこく徹底的に修理するよう要求したんだよと。

中国で徹底的に修理してもらうのは、本当に大変なんです。しつこく要求しつつ、なだめすかしながら、自分の目で確かめていかなければなりません。その友人とは知り合って間もなかったのですが、私たちの身になって考え行動してくれたのです。そんな友人にとても感動しました。

よく中国人は利得を考えて行動すると言われますが、その友達にはそれからもいろいろと助けてもらい、逆に私がその友人に何かをしてあげる機会はありませんでした。その友人のおかげで少しずつ中国での生活にも慣れていき、私自身しつこく食い下がったり、催促したりすることができるようになりました。もちろん今でも何かが壊れると、とても憂鬱になります。日本のように電話一本でかけつけ、修理してくれるというわけではないからです。

ちがう文化のなかで知り合った無視の愛を示し続けてくれた友人には今もとても感謝しています。

ライタープロフィール

ヤンヤンさん/女性/年齢:40代/中国在住/5歳からピアノを習いはじめ、9歳でエレクトーンに変更。学生時代はバレーボール、テニス、バドミントンを経験。卒業後は、塾講師を経て、2006年末から中国で生活。一時期、日本語教師をしていました。現在は、中国語を勉強しています。