感動した話
思い出すとジーンとくる…感動した話を紹介します。

自分が助けて貰ったから

2011/07/06

多くの人がそうしていると思いますが、海外旅行に行く前には、空港から市内までどうやって出たらいいのか?を調べてから出発するようにしています。しかし、きちんと調べたつもりが現地に行って困ってしまう事が時々あります。

数年前、北欧のある国からドイツのある空港に飛びました。事前にその空港を調べたら、空港が駅に隣接しているようでしたので、「行けば分かる」と思いそれ以上詳細には調べませんでした。

ところがその空港はターミナルがいくつかにわかれており、私が降り立ったターミナルからは駅まで徒歩で行く事はできないようでした。案内表示を見ながら右往左往…。どうやら駅までシャトルバスが出ていると言う事が分かりました。

バスの運転手さんに駅に行くかどうかを確認してから乗り込みました。少し走ってから一つ目のバス停に止まりました。車内アナウンスはありましたが、残念ながら私はドイツ語がわかりません。たくさんの人が荷物を抱えて降りていくので、ここが駅なのだろうと思って私も降りようとしました。すると、運転席の近くに居た男性が私を見て首を横に振りました。私と運転手さんの会話を聞いていたのでしょう。そのおかげで「ここは駅ではなく別のターミナルなんだ」と分かり降りるのを辞めました。次のバス停に止まろうとした時に思わずその男性の顔を見たら大きく頷いてくれました。その男性に会釈をし私はバスを降りました。

駅についた後がまた一苦労でした。市内に出る路線がどれなのか分からなかったのです。上り下りと言う単純な路線ではなく、同じホームに行き先の違う線が到着する事があるようで、行きたい駅までどの路線で行ったらいいのかわかりませんでした。路線図の前で暫く悩んだ後、近くにいた若い男性に「○駅まで行きたいのですが」と尋ねました。彼が路線図を見ながら行き方を説明してくれようとした矢先、傍らに居た女性が「次の電車だと乗り換えがあるから、その次の電車の方がいいんじゃない?」と声をかけて来ました。さらに他の方も加わって、路線図と時刻表を見ながら色々と相談して下さり、急いでいないなら次の電車に乗った方が分かり易いと教えてくれました。

ドイツ人は長期のバカンスを取る人が多く、自分も旅行先で人に助けて貰う事があるから自分も旅行者を助けようと思っている人が多いと聞きました。自分が助けられたから自分も人を助ける…とてもいい習慣だと思います。

ライタープロフィール

ツカサさん/女性/年齢:30代/東京都在住、読書、ゲーム、音楽鑑賞、パソコンいじりが好きで、行列と人ごみが苦手なインドア派です。ひとまずなんでも疑ってみる性格で、理屈っぽいと良く言われます。