- 心に残る一冊
- お気に入りの世界観、人生を変えた一冊、何度も読み返してしまう本を紹介します。
それは本当に事実なのか?
2011/06/14
私は本をよく読みますが小説はあまりよみません。どちらかというと小説より、雑学本や実用書などのジャンルの本をよく読みます。そんな私が唯一全て読んでいる小説のシリーズは、高田崇史の「QED」のシリーズです。小説のジャンルとしては歴史上の人物やことがらを扱ったミステリー小説です。
親しい友人のうちの二人がこの小説シリーズを読んでいました。そして居酒屋でこの小説のシリーズの話になり、歴史が好きなら読んでみたらいいのではないか?とすすめられました。ミステリー小説ですので、いわゆる二時間ドラマのように殺人事件がおこり、素人探偵のような人が殺人事件の謎を解いていくというストーリーです。このシリーズの主人公である、桑原崇が歴史にまつわる殺人事件について解明し「証明終了」でとなることから、シリーズのタイトルは「QED」となっています。
このシリーズに書かれている歴史解釈は、ちょっとマニアックでよほどの人ではなければ知らないこともたくさん出てきて、新しいことを知ることがもできました。また、今までは別の解釈だと思っていたことを考え直したり、新しく調べなおしたりするいいきっかけとなりました。
この小説のシリーズの中で印象的だったのは、主人公である桑原崇が「歴史は勝者によって作られる」と言ったことです。現在残っている歴史上の文献のうち、特に古い時代のものは、勝者が勝者の都合の良いように書き上げており、敗者の以前の功績は闇に葬られてしまい、敗者は完全な悪としてしたてあげられているのではないか?と言うことです。過去の歴史の中で、いくどとなく繰り返されていることだとは思いますが、現代においても勝者が作り上げたストーリーを事実だと思い込まされているのではないか?と疑うことも必要であるいうメッセージもこめられているのではないかと思います。
この小説のシリーズが好きな友人達とこの小説のシリーズについて話をすると、やはり同じものが好きな者同士、大変話が盛り上がります。歴史ミステリーがお好きな方には是非おススメしたいシリーズです。
QED 神器封殺 (講談社文庫) amazpn.co.jp
QED 〜flumen〜 九段坂の春 (講談社文庫) amazpn.co.jp
QED 出雲神伝説 (講談社ノベルス) amazpn.co.jp
ツカサさん/女性/年齢:30代/東京都在住、読書、ゲーム、音楽鑑賞、パソコンいじりが好きで、行列と人ごみが苦手なインドア派です。ひとまずなんでも疑ってみる性格で、理屈っぽいと良く言われます。