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極限状態のストレスを受けたとき、あなたが真っ先にするべきこと
2014/02/19
これは最近、実際わたしに起こったことです。ある日コスタリカの海辺の町で、海に行き、ビーチでくつろいでいました。波打ち際からは十分距離をとって寝そべり、本を読んでいました。しかし突然これまでになく大きな波が打ち寄せ、近くに置いていたわたしのバッグを呑みこんだのです。
慌てて海水から拾い上げたものの、時すでに遅し。バッグは中までずぶ濡れで、デジカメ、スマートフォンが両方水濡れの被害に遭い、一瞬で壊れてしまいました。電源も入らないようになってしまったのです。
しばらくぼう然としていました。いっぺんに高価なデジタル機器を2つ、しかもどうにでも防げたのに壊してしまうなんて、どれだけ運が悪いのかと。こういうものすごくショックなことが起こったとき、わたしができるだけ早くするようにしていること。それは、眠ることです。
というわけで、そのアクシデントが起こった30分後にはもう宿泊先のベッドに横たわって眠ろうとしていました。
よく、「嫌なことは寝れば忘れる」と言いますよね。これはあながち嘘ではなく、眠りには感情を記憶として整理して、過去にものにしてくれる働きがあると、実験で証明されているのです。その実験は以下のようなものです。
ある被験者グループにはショッキングな場面が写っている写真を見せてから、一定時間睡眠をとらせます。もう一方のグループには同じ写真を見せたあと、睡眠をとらせません。同じ時間だけ空けてから、両グループに再び同じ写真を見せると、眠ったグループの脳波が安定していた一方、眠っていないグループは再びショックを受けている脳波の動きを見せたという結果が出ました。
実際、デジカメとスマートフォンが壊れた日、昼寝から目覚めると、「どうして防げなかったんだろう」というくよくよした気持ちは消えていました。起こってしまったことは仕方がないと、これから行く予定の国で安く電化製品が買える国はないかと、ネットで調べる気力が湧いていました。
というわけで、ものすごいストレスに晒されたときは、とにかく早めにたっぷりの睡眠をとることをオススメします。そうすることで何度も同じ辛い感情を生々しく味わい続けることを防げるからです。騙されたと思って、一度試してみてくださいね。
そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。