失敗体験談
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コンビニおにぎりで恐怖体験

2019/09/02

皆さんちょっと想像してみてください。よく見かけるコンビニのおにぎり。その同じ味の物が100個一気に棚に並んでいる様子を。同じ味が100個。壮観ですよね。なかなか見ることのない景色だと思います。でもその日、それを目の当たりにした私の顔は蒼白でした。

私が某コンビニでアルバイトしていたのは19歳の頃。コンビニでのアルバイトは高校時代に経験済みでしたが、高校生当時に私がやっていたのはレジと掃除の簡単な業務。大学へ入り、経験を生かしてまたコンビニで働こうと思って始めた仕事でした。正直、楽な仕事だからという下心もちょっとありました。働き始めてしばらくすると、店舗の運営に関わる仕事も少しずつ任せられるようになります。そこで初めて、コンビニの仕事ってそんな楽じゃない…ということに気付きましたが、それと引き換えにやりがいが増していきました。が、人間慣れとは恐ろしいもの。最初はやりがいを感じてイキイキとやっていた業務も、片手間のように惰性でやるようになりました。

それで招いたのが冒頭の景色。発注業務も任せられるようになっていた私は、10個だけ発注すればいい「たらこおにぎり」を、桁を1つ間違えて100個も発注してしまったのです。大学がそばにあるおかげで売り上げが良い店舗でしたが、100個は1日かけても売れない。おにぎりには他の味もたくさんある。それに相手は生もの。賞味期限は刻一刻と迫って来ます。

朝出勤して、何も知らない私が同僚に促され陳列ケースを見た時の衝撃。これはちょっと筆舌に尽くしがたいものがあります。顔面蒼白目の前真っ暗。クビか…自腹買取か、だとしたらいくら…なぜキッチリ最終確認をしなかったの昨日の自分!…と短時間のうちに様々な考えが頭をよぎってパニックになったのでした。今書きながら思い返しても冷や汗が出るほどのトラウマ体験です。店長には店の自動ドアがビリビリと鳴るぐらい怒られました。

SNSが全盛の今、ごくたまにある「誤発注したので協力してください」等の書き込みを見ると、何とも言えない気分になります。あなたもやっちゃったのかという同志を見つけたような気持ちと、発注は最終確認が命という上から目線な気持ち、今の時代はこうして助けを求めることができていいなぁといううらやましい気持ち。私はこの事件以降も様々な職場で発注業務を担ってきましたが、この衝撃的事件を経験したおかげでその後大きなミスはしないで済んでいるのでした。

ライタープロフィール

李内(りうち)さん/女性/年齢:30代/町田市在住/愛知県生まれ。夫と愛犬の3人暮らしのごくごく普通の主婦。仕事はサービス業。趣味は読書、料理、仕事。犬が大好きで愛犬と過ごす時間が何よりの幸せです。