運の良かった話
ありえない…運の良かった話を紹介します。

ぎりぎりで乗り切った自動車教習所

2019/08/29

若者の車離れなどと言われている中でも、自動車教習所というのは日本人の多くが通ったことのある場所ではないかと思います。私もそんな多くのうちの1人で、約2ヶ月間ほぼ毎日教習所へと通っていました。初めて車を運転した時の高揚感は今でも忘れません。しかしその高揚感も教官に怒られるたびに萎えていき、後半は早く卒業したい一心で教習を受けていました。

そして嫌でしょうがなかった課程を一通り終えて、いよいよ卒業検定という日がやってきました。私が一番気がかりだったのは、方向変換と縦列駐車のどちらを課されるか。これは試験の直前に発表されます。実は私は縦列駐車が最後までどうしても出来ず、なのに教官がハンコだけはくれてしまい…というありがた迷惑な最後の課程だったので、試験が縦列駐車だった場合は100%落ちると確信していました。なので「お願いします方向変換方向変換方向変換お願いします」と、この時ほど神様にお祈りした瞬間はなかったと思います。そしていざ発表。………方向変換!!まずは第一関門突破です。

しかし一瞬浮かれたのもつかの間、路上検定に罠が待ち受けていました。私が走らされたのが、普段の教習で1度しか走ったことがない道。しかも路上駐車が多く、道路工事もしているという最悪の道。ウインカーを出しては消して今度は反対ウインカーを出し。もうパニック。しかも微妙なタイミングでの黄色信号。試練が次から次に襲ってきます。パニックのまま次の人の番になり、私はもう不合格を確信しました。そして次の人の運転のなんたるスムーズさ。私は後部座席で次の検定予約をいつにしようか考えていました。

そして教習所に戻り、方向変換の試験。路上検定で順調だった人も意外と苦戦しています。いよいよ私の番。自分に合格という可能性が残されているのかもわからないまま挑み、何とか一度も切り返す事なく方向変換に成功しました。教室に戻りあとは結果を待つだけ。一応神様に祈りますが、十中八九落ちているだろうという開き直りの気分です。

結果は、3人受けた中で私1人のみ合格。まさか!!信じられない神様仏様ありがとう!!という気持ちです。ですが最後の教官の「○○さんは、方向変換で一度でも切り返ししてたら落ちてました。本当にギリギリの合格です」という言葉にしばらく呆然としてしまいました。私が卒検に受かったのは本当に運だけだったんだなぁと思わせられる出来事です。この時ほど『運』を意識した瞬間はありません。この原稿を書くまで忘れかけていましたがあらためて。神様仏様本当にありがとう!

ライタープロフィール

李内(りうち)さん/女性/年齢:30代/町田市在住/愛知県生まれ。夫と愛犬の3人暮らしのごくごく普通の主婦。仕事はサービス業。趣味は読書、料理、仕事。犬が大好きで愛犬と過ごす時間が何よりの幸せです。