人生で一番はずかしかったこと

やってしまった…思い出すだけで赤面する恥ずかしい話を紹介します。

あまり言いたくない…人生で一番恥ずかしかった話

2020/12/16

30数年の人生において恥ずかしい思いをした経験はそれなりにありますが、大人になってからの恥ずかしい経験というのは開き直りができるもの。誰かに「おバカな話」として自ら話し、笑ってもらうことである程度恥ずかしい気持ちは消えます。ですが、未だに思い出すと気まずいというか、まさに「恥」という話がひとつあります。今回は勇気を持ってそのお話をしたいと思います。

それは私が小学校5年生の頃のこと。当時私はミニバスケットボール部に入っていました。その前の2年間は卓球部に入っていて、つまり運動は苦手なタイプではありませんでした。鉄棒や縄跳び、跳び箱は8段も飛べたし、雪国で育ったのでスキーも大好き。とにかく体を動かすことが好きだったのです。

そんな私がある日、経緯は忘れてしまいましたが同じミニバスケットボール部の仲間でクラスメイトでもある女の子に、「マラソン大会があるから一緒に出ない？」と誘われました。小学校高学年女子が走る距離は1km。1kmといえば1000m。運動がある程度できるという自負があった私は念のため母親に許可を取り、軽い気持ちで出ることを決めました。

軽い気持ちで出場を決めたので、マラソン大会の日が来るまで練習は一切なし。部活で日常的に運動しているから大丈夫だろうと思っていました。そして当日。ここからすでに恥ずかしいのですが、私は自分が1位とはいかないまでも3位以内に入れるのではないかという、根拠のない自信が湧いてきてしまったのです。

自分が入賞した時の想像に胸を膨らませながらいざスタート。マラソンのペース配分というものをまったく知らなかった私は最初から全力で走り、一気にトップ。一緒に出場した友達さえはるか後ろにいます。そして愚かにも「やっぱり私はイケる…！」と思ったのです。しかしそんな気持ちもつかの間、どんどん苦しくなってきます。後半に差し掛かる前にどんどん追い抜かれ、なんと結果はビリから2番目。ダントツのブービー賞です。マラソン大会を見に来ていた人全員に恥晒したのでした。

…これが私の人生で一番恥ずかしい話。応援に来た母親の情けない顔は今でも鮮明に思い出せるほどです。私にとってあまりにも恥ずかしい記憶なので、母親との会話で昔話になっても、この悪夢のマラソン大会の話題にはならないように注意しています。今でもその時に戻って歴史変えたい、そう切に願っています。

李内（りうち）さん/女性/年齢:30代/町田市在住/愛知県生まれ。夫と愛犬の3人暮らしのごくごく普通の主婦。仕事はサービス業。趣味は読書、料理、仕事。犬が大好きで愛犬と過ごす時間が何よりの幸せです。