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日本を代表するエンターテインメント作家・東野圭吾さんの魅力
2021/01/18
もはや語る必要がないほど有名な作家、東野圭吾さん。ミステリーを書けば緻密で精巧、ファンタジーを書けばその文章は優しく、人間の心理を捉えた作品を書けば感動を呼び起こさせる。その物語の構成には、誰もが夢中になってしまいます。ドラマ化や映画化された作品は数知れず、そしてそのほとんどがヒット作。東野圭吾さんは、日本のエンターテインメント界にはなくてはならない存在と言っても過言ではありません。
そんな東野圭吾さんの代表作は…多すぎてとても選びきれません。亡くなった妻との絆を描いた「秘密」、天才物理学者が主人公の「探偵ガリレオ」シリーズ、犯罪者の家族の心理を描いた「手紙」、「新参者」など加賀恭一郎が登場するシリーズなどなど。実際に本で読んでいなくても映画館やテレビで知っている方も多いと思います。
このように東野圭吾さんはいろんなジャンルの作品を書いていますが、ちょっと毒の効いた作品も書いています。「毒笑小説」などはその最たる例ですが、皮肉がこもっているけどクスッと笑える、ユーモアに富んだ東野圭吾さんの人柄が垣間見えているのかなと思わせられます。ちょっと気持ちが荒んでいる時に読めば、本の中の登場人物たちの痛快なやりとりで、きっと気持ちが明るくなります。
東野圭吾さんの作品の魅力は、その時の自分の気分に合う作品が必ずあること。たくさんの作品があるので、きっと今の自分を代弁してくれる作品が見つかります。思い切り涙を流したい時、現実離れした不思議な世界に逃げ込みたい時、単純に笑いたい時、人間本来の優しさを忘れてしまいそうな時。気分が乗らずに読み始めてもぐいぐいと作品の世界に引き込まれてしまう文章、物語の構成は素晴らしく、かなりの長編小説でもまったく飽きません。
例えファンタジーの世界でも、不自然さをまったく感じずについ入り込んでしまう東野圭吾さんの作品の数々は、主人公だけでなくすべての登場人物に感情移入してしまうほど。いろんな立場に置かれたいろんな人間の心の動きを知ることができるのが、東野圭吾さん作品の魅力です。
秘密 (文春文庫)
探偵ガリレオ (文春文庫)
李内(りうち)さん/女性/年齢:30代/町田市在住/愛知県生まれ。夫と愛犬の3人暮らしのごくごく普通の主婦。仕事はサービス業。趣味は読書、料理、仕事。犬が大好きで愛犬と過ごす時間が何よりの幸せです。