人生最悪の瞬間
今まで生きてきた中で最悪だったときはどんなとき?人生最悪の瞬間を紹介します。

厄年、侮るべからず

2019/08/09

さかのぼること約4年。私は職場で1人泣いていました。原因は母親からの一本の電話。入院することにしたから、有休をとって一緒に病院へきて欲しいという内容でした。8月のお盆も迫ってきた時期です。私が働いていた職場は8月が繁忙期でした。ノルマというか営業目標というか、とにかくそういうものがあと少しで達成できるという大事なタイミングでの母親からの電話。今有休をとれば営業目標達成は絶対になくなる。その悔しさからの涙でした。

ですが行かないわけにいきません。ただ母親の病気が「アルコール依存症」という、母親自ら飛び込んでいった感のある病気だったので、会社にもはっきり言えず納得行かないまま実家へ帰りました。仕事を台無しにされた苛立ちから母親に優しく出来ず大げんか。挙げ句の果てには母親のタンス預金23万円を盗んだ疑いをかけられ、「来てって言うから来たのに一体私は仕事を放り出してまで何しにきたんだ…しかも病気とは言え娘を疑うとはこの親は…」と虚しくなりました。まさに人生最悪の時。

そしてようやく母親の怒りを鎮め病院へ。淡々と手続きが進み病室へ行き、一刻も早く帰りたかったのであまり会話もせず帰ることにしました。泣きそうな母親の顔を見て一瞬戸惑いましたが、その気持ちを振り切って外へ出ました。外に出たことで落ち着きを取り戻し、片道2時間かけて電車で地元に戻ります。その電車内で私は占いサイトを片っ端から見ていました。実はその年の春に私は、足を骨折するという不幸にも見舞われていました。そういうこともあり、自分の不幸すぎる一年間が気になっていたのです。そしてそこで自分が今年厄年だということがわかり、しかも某有名占い師の見解では「大殺界」という恐ろしいネーミングの運勢だそうで、やっぱりなという気持ちでいっぱいになったのでした。

その後年末までは何事もなく…と言いたいところですがそんなに甘くありません。私はまた骨折したのです。しかもタンスの角に小指をぶつけるという地味なことで。さらにはある日の朝トイレに行ったら、上の階から水が漏れてきていて3日間も止まらなかったり。一年間に二度骨折したのも、自宅のトイレに傘を指して入り続けたのも、後にも先にもこの時だけです。今では母親の話も全て笑い話になりましたが、この不幸続きの一年間は生涯忘れません。こういう年が今後絶対に来ませんようにと、私は毎日願っています。

ライタープロフィール

李内(りうち)さん/女性/年齢:30代/町田市在住/愛知県生まれ。夫と愛犬の3人暮らしのごくごく普通の主婦。仕事はサービス業。趣味は読書、料理、仕事。犬が大好きで愛犬と過ごす時間が何よりの幸せです。