死ぬかと思った話
これはやばい…本気で死ぬかと思った話を紹介します。

誰にも頼まれていないのに、チャップリンを再現

2011/05/18

じっくり考えてみた。私が死ぬかと思ったこと。今まで37年生きてきて(いきなりのカミングアウトですいません)、九死に一生を得たという場面が正直ございません。まったく思い当たることがないのです。残念というか、良かったというか・・・。

だけど、一つ思い出したことが。小さなハプニングではありますが、あの一瞬、確かに私は死ぬかも?!と思ったのだ。それはそれは、遡ること〇〇年前。高校の修学旅行での出来事。この時点で、〇〇年前という所、穴埋めできますね。

旅館で夜ご飯を頂いていた時だった。卓上でお肉を焼いて口に入れた時、妙に固くて噛み切れず、どうしたものか、まさかみんなの前で吐き出すわけにもいかない。少しだけ持ちえていた恥じらいが顔を出した。仕方あるまい。とにかく噛み砕く。これしか方法がない。そう思って、ず〜っと噛み続けたのだけど、これがまるでゴムのように固い。おそらく、私が今まで噛んできたお肉の中でも、圧倒的な固さだ。なかなか手ごわい。そうしている間、周りのみんなはどんどん平らげていく。そうすると、私もどんどん焦り出す。それは途方にも感じられた。もう無理だった。これ以上噛んでいたら、他のメニューも食べきれない。

いっそこの場で一気に飲み込んでしまおう。そう思い、ゴクリと飲み込んだ。はずだった。だけど、喉の奥へと流れていかない。そうです。喉のど真ん中に、そのお肉が留まってしまったのです。

その時の自分の状況、いくら思い出そうとしても思い出せない。息が出来ないのはもちろんだけど、ただひたすら「終わった」と思った。その瞬間が私が死ぬかと思った時だった。

どうやって回復したかわからない。必死になって喉をうならせたら、流れていったようだ。流れたと理解した時、目にいっぱい涙を浮かんでいた。だけど、誰も私の異変に気づかないようだった。おかしいな〜。こんなに長い時間をかけて戦っていたのに。そう思ったけど、よく考えてみると、自分では5分にも10分にも感じた出来事も、実際はそんなにかかっていないということがある。それだったのかしら。

今思い出したらどんどん腹立たしくなってきた。なんでそんなに固いお肉を提供するかね。どうかしてる。

たった今、靴をステーキのように食べるチャップリンの映画のシーンを思い出した。

もしや、あのお肉は靴だった? なわけないか。

ライタープロフィール

アールさん/女性/年齢:30代/北海道函館市在住/中学生の男の子2人をもつシングルマザーです。ホステスとして働いていますが、空いた時間は趣味のオークションで出品作業。好きなことは読書と音楽・映画鑑賞。ただ、今はちょっとその時間が取れないのが残念。食べて飲んで寝ることが今の楽しみで、それがストレス解消にも。それでも疲れが著しい時は、椎名林檎さんのCDやDVDで英気を養います。