人生最悪の瞬間
今まで生きてきた中で最悪だったときはどんなとき?人生最悪の瞬間を紹介します。

月末、金曜、財布の中は21円。なのに「暗証番号が違います」って…

2010/08/14

人生最悪の瞬間。それはまさに、今!なのです。タバコは切れたし、冷蔵庫はカラなのに、あらら、財布の中は21円。笑っちゃうぐらい、お金がありません。だが、しかし、銀行口座には、タバコ代と今日の食費ぐらいは残ってるはず。でも、銀行までは、歩いて15分かかります。

いちばん近い某金融機関のATMにカードを入れて、暗証番号を……。「恐れいります。画面の上にモノを置かないでください」のアナウンス。いや、モノなんか置いてないって。気を取り直して、暗証番号を入力すると、「2」を押したつもりなのに、「4」と出る。「なんで?」と思い、もう一度。「暗証番号が違います」「恐れいります。画面の上に……」。

ええい!、うるさい、黙れ、黙れ! と暗証番号を再び入力。すると今度は、「このカードはお取り扱いできません」。「まったく、おかしいよ、このATMは」と、ブツブツいいながら、次に近いATMへ。スーパー内のEネットバンクです。

すると、いきなり「このカードはお取り扱いできません」。こうなると、「ATMがおかしいよ」なんて話じゃありません。「もしかして、このカード、もう使えないって……?」。マンガなら、顔にタテ線が入るところです。何度か暗証番号を「間違って」入力すると、カードが使用停止になるとは聞いたことがありますが。

あわてて銀行に電話をすると、「カードの再発行になりますので、通帳とご印鑑をお持ちいただいて、お取引支店の窓口までおこしいただき……」と、悠長なお答えです。「お取引支店」は、以前住んでいたところのままなので、時間も交通費がかかります。でも、所持金は21円。「それ以外の支店ですと、2週間ほどお時間をいただくことに……」。

タバコとホカ弁のために、クレジットカードで借金するか、それとも……。ああ、そんなことより、もう月末、金曜日。ど、どうするんだ。「自動引き落とし」にしてない「支払い」関係。放っておいたら、通信回線、止められるぞ。そしたら、この商売、命取りじゃないですか。

「じゃ、自分のお金が2週間もおろせないんですか?」「いえ、営業時間内に通帳と印鑑をお持ちいただければ、どの支店の窓口でも……」。そうか、そうだった。ATMがあんまりなかった子どものころ、親はたしかにそうしてました。でも、もう午後2時をまわっています。ああ、すぐに銀行に……と思ったら、通帳が見当たらない! 印鑑って、どれだっけ!?

ライタープロフィール

オオタクーミンさん/女性/東京在住、もしかして「鉄子」と「歴女」のさきがけだったのかも知れない、ぎりぎりアラフォー世代のライターです。小さいころから、愛読書の1つが時刻表で、プライベートの国内旅行には、たとえ北海道を旅するのにも、飛行機を使うなんてことは、はじめから考えない、まったく日航を応援してない日本人です。