面白い話
面白いうんちくや普段思っていることなど、ちょっと面白い話を紹介します。

それを「1年分さしあげます」の1年分って、何個なの?

2010/09/26

最近は、めっきり少なくなりました。「固定電話」へのイタ電、ないし間違い電話。だから、すべて、もう何年も前のお話です。

それは、お正月のまだ2日か3日の昼前でした。電話のベルが鳴りました。どうせ飲み会の誘いだろうと受話器を取ると、若い男の声で、いきなり「お宅、どう行けばいいのかな?」。まったく思い当たるフシがありません。「はぁ?」と聞き返すと、「お宅、〇〇でしょ。チラシ見てるんだけど、場所、わかんなくてさ」。

どうやらフーゾク店とお間違えのご様子です。正月早々、やってるほうも、出かけるほうも、ご苦労なことで。で、私は親切にご案内したのです。「ありがとうございます。それでは、コンビニの〇〇の角を右に曲がっていただいて……」。お伝えしたとおりに、いらしたでしょうか。老人ホームに着いたはずです。

電話番号が似てたんでしょう。それから何度か、そんな電話がかかってきました。あるときは、「今日、〇〇ちゃん、頼める?」のご指名です。

「あー、ごめんなさい。〇〇ちゃん、無断欠勤。ワタシでどう? 55だけど」。これって、「営業妨害」になるのかな。

イタ電もよくかかってきました。平日の昼間、家で電話を取るので、こちらを「専業主婦」だと疑いません。「私、〇〇(某メーカー)の××と申します。ただいま新人研修の一環として、奥さま方の下着についてのアンケートを実施させていただいておりまして」。そんな研修があるかとツッコミたいのをこらえて、何やらおもしろそうなので、「はぁ」と、まずはしばらく聞いてると、「このアンケートにお答えいただきますと、当社の生理用品1年分をさしあげます」。

ほー、それは興味シンシン。「いただけるんですか? 1年分? でも、それって何個なんですか?」「は? 数……ですか?」。甘い! そこまで考えてなかったんですね、彼は。「だって、1年分っていうからには、『一人平均、何個』って数字、出てるんですよね。サイズとか種類とか、どれを何個なのか知りたいですねぇ」「ええっと、それはですねぇ……」としばしの沈黙のあと、電話はガチャリと切れました。

「ったく、アタシにイタ電かけるとは、ボウヤ100年早いよ」と思いつつ、「でも、ほんとに、どのタイプを、何個ぐらいってのが、フツーなの?」と、いまだにこれはギモンです。

ライタープロフィール

オオタクーミンさん/女性/東京在住、もしかして「鉄子」と「歴女」のさきがけだったのかも知れない、ぎりぎりアラフォー世代のライターです。小さいころから、愛読書の1つが時刻表で、プライベートの国内旅行には、たとえ北海道を旅するのにも、飛行機を使うなんてことは、はじめから考えない、まったく日航を応援してない日本人です。