感動した話
思い出すとジーンとくる…感動した話を紹介します。

会いに来てくれた小さな魂

2012/09/21

人生で一番感動する経験をしたのは、昨年のことです。

私は、2人目の子どもをお腹に宿していましたが、11週0日で、自然流産してしまいました。前日まで元気に心臓を動かしているのを見ていたのに、突然の大出血とともに、赤ちゃんはお空へ帰ってしまいました。病院の先生からは、「染色体の異常による自然淘汰の流産でしょう。お母さんのせいじゃありませんよ。」と言ってくださいましたが、私は昨日まで生きていた命のことを思うと、そう簡単に割り切ることはできず、ひとりになると泣いていました。家族の前では元気な顔をしていても、ひとりになるといろいろ考えてしまうのです。きっと、流産を経験した女性はみんなそうだと思いますが…。

流産してから数日たったある日の早朝、まだ薄暗い時間、私はふっと目が覚めました。その時、私の手の中には、小さな小さな手の感触がありました。「え?」と思い、息子のほうに目をやりましたが、息子は私よりはるかに離れた場所で寝ている。何度も「夢じゃないか」と確認しましたが、意識ははっきりしていました。寝ぼけてなんかいません。

ということは、この手は…?私には、すぐにわかりました。お空に帰った赤ちゃんが、私に会いに来てくれたんだと。

私たち夫婦は、お腹の赤ちゃんにすでに名前をつけていました。ちょうど、東日本大震災の直後に授かった命。明るくこの世を照らしてくれるようにとの願いを込めて、男の子でも女の子でも、「旭陽(あさひ)」と名付けるつもりでした。お腹にも、いつも「旭陽」と話しかけていたんです。

私は、心のなかで、「旭陽、おててをギュッギュッてして」とお願いしました。すると、本当に、私の手の中にある小さな手が、「ギュッギュッ」と握り返してくれたんです…!私はうれしくて、切なくて。旭陽は私のことを心配して見に来てくれたんだな、「もう悲しまなくていいよ。ママ、元気出して」って伝えにきてくれたんだなと、わかりました。そう思ったら、小さな手の感触は、スーッと消えていきました…。私は、旭陽が天国へとのぼっていったんだなと感じました。

私は霊感が強いわけでもなく、フツーの人間です。でも、こんな不思議な体験をすると、やはり人間の魂は生き続けるんだなって感じましたね。死んだらまったく「無」になってしまうなんて、さびしいですものね。

不思議だけれど、とても心が温まる、素敵な感動体験でした。私の一生の宝物です。

ライタープロフィール

オッチマーさん/女性/年齢:30代/兵庫県在住/フリーター、法律事務所職員、幼稚園教諭を経験後、現在は主婦&もうすぐ3歳児のママを頑張り中。楽しいことが大好き、家族でおでかけが大好きです♪