- 人生最高の瞬間
- 今まで生きてきた中で最高だったときはどんなとき?人生最高の瞬間を紹介します。
人生最高の瞬間といえば、やっぱり…
2012/10/05
私にとっての「人生最高の瞬間」とは、ありきたりですが、出産でしょうか。
もうすぐ3歳になる息子ですが、彼は予定日よりもおよそ2週間早く生まれてきました。予定日まではまだ先だからと、東京へ旅行したり、海釣りに出かけたり、アウトレットモールで友人と買い物したりと、とにかくアクティブに動いていた私でしたが、その日は突然にやってきました。
まだ暑い9月のある日の早朝、ふと目が覚めたとき、下半身に違和感を覚えました。「え、まさか…おもらしした?私」と思いましたが、自分の意思とは関係なく、ダラダラと出続ける液体(汚い話ですみません)に、ピンときました。これは、きっと破水だ!!隣で寝ていた夫に、「破水だよ!!」と叫んでたたき起こすと、彼は心底びっくりしたようで、慎重186センチの巨体が一瞬浮き上がりました。そのあとの彼の行動は早かったですね。あっという間に身なりを整えて、病院へ向かう準備をしてくれました。
私は意外と冷静で、まずはトイレに行き、破水の様子を確認。少し出血していたので、いよいよだなと思いつつ、以前から用意していた荷物を夫に頼んで車に積んでもらいました。病院へと向かう道、実家に電話し、「破水したよ〜」とのんきに話すと、実母のほうがあわてて「大丈夫!母親になる人はみんな通る道だから。頑張りなさいよ。今からパパ起こしてすぐに向うから」と励ましてくれました。破水したもの、まだ実感がない私。夫は出会ってから見たこともないくらいパニクッており、何度も通って間違うはずのない道を思い切り間違えたりして、その様子がおかしくてたまらないくらい、冷静でした。あとに苦行のような時間が待っていることも知らずに…。
病院についてもまったく陣痛を感じなかった私ですが、お昼過ぎくらいから、徐々にお腹の張りが強くなっていきました。そして、徐々に「何かが出そう」という感覚が襲ってきました。でも、助産師さんは、「イキんじゃだめ!頑張ってやり過ごして」と繰り返し言います。そのうえ、「お産が進むのを早めるために、今から廊下を歩いて繰り返し往復してください」と鬼のようなことを言われ…。でも母親になる以上、やるしかありません。夫に支えてもらいながら、必死に陣痛をやり過ごしつつ、廊下を往復しました。ちょうどその日は妊婦さんたちの両親学級があり、産婦人科病棟見学とかでたくさんの方がこられており、ボサボサ頭の私がなんども廊下を往復する姿をバッチリ見られてしまいました。妊婦さんたちはみんな、苦痛にゆがむ私の顔を見て、同情と恐れが入り混じったような表情をしていましたね。
歩いたのが良かったのか、徐々にお産が進んでいきましたが、やはりまだまだイキんではダメだと言われます。汚い表現で申し訳ありませんが、陣痛というものは、史上最大にお腹を壊していて一刻も早くトイレに行きたいのに、満員電車に乗せられて降ろしてもらえず、ひたすら耐えなければいけない状態…というのが、しっくりくる感じですね。人によって、また全然違うようですが…私の場合はそうでした。
早く分娩室に行きたいのに許してもらえず、やっと許可が出たのが、本格的な陣痛が始まっておよそ12時間後。病院についてからは、20時間経過していました。私は、「やっとトイレにいける!!」という気持ちにも似た感情で、喜び勇んで分娩台に飛び乗りました。その様子を見ていた助産師さんたちが大笑いしたほどです。
分娩室に入ってからは、思う存分イキんで、「あれ?ラクになったなぁ」と気が付いたときには、息子はすでに生まれてきてくれていました。生まれたての赤ちゃんを初めて見ましたが、本当にまっかっか!しかも息子の産声は半端なく大きく、外で待っていた実の両親、義理の両親もびっくりしたほどでした。息子はとても大きく、3576グラムでした。
陣痛という長い長い苦しすぎるトンネルのあとに味わった息子の誕生は、今でも人生最高の瞬間であり、宝物のような思い出です。
オッチマーさん/女性/年齢:30代/兵庫県在住/フリーター、法律事務所職員、幼稚園教諭を経験後、現在は主婦&もうすぐ3歳児のママを頑張り中。楽しいことが大好き、家族でおでかけが大好きです♪