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インドの格安夜行バス、地獄絵図
2012/09/13
インドの格安夜行バス
あれは、インドにある山間の町へ移動する時のこと。鉄道は通っていなかった上、貧乏旅行にこだわっていた私は、安い夜行バスを使うことにしていました。
バスの待ち合いには、同じ方向に向かうと思われる西洋人が数名。特に待つ場所がきちんと決まっている訳でもなく、行き先も書いてないから、どれに乗ったらいいか、よくわからないんですよね。新しくバスが到着するたびに、これでいいのか、と聞くけれど、どうも違うようだったり。
なんやかんやで、ようやくバスに乗れたと思ったら・・・
なんと、インド人しかいない。私が買ったチケットは、他のパッカーたちも乗らないバスだったのです。日本人はおろか、旅行者というくくりでも、私ひとり。バスって終点かどうかもいまいちよくわからないし、一人くらい相通じることができる人がいると、安心なのだけど。
隣に座っていた女の人が気のいい人で、家からお弁当として持ってきたナンを分けてくれたり、何かと親切にしてくれたのが、唯一の救いだったでしょうか。
・・・が。
問題はそこからでした。
山間の町に向かうので、バスは蛇道をひたすらうねうねと上がっていく。すると明け方、何かの音ではっと目が覚める・・おえー・・という声が、あちこちから鳴り響いています。インド人、あんまり山には慣れてないのかな、車酔いの嵐。袋になんとかおさめた人はまだ良くて、通路に吐きっぱなしの人も大多数。車内は地獄絵図と化しました。もちろん、日本のように親切な運転手もバスガイドもいないので、誰も片付けず、放置です。
あーもう早く降りたい、いやだー・・と心の中で叫んだ時。バスがとまりました。なんと、道の途中で土砂崩れのようなものが起こっていて、通行止めなんだそう。ゲロバスの中で、2〜3時間は待ったでしょうか。
町に着いた時にはもうクタクタ。なのに、何かとうるさく構ってくるインド人たちを、さばかないといけません。
なんで、格安でなくもっといいバスに乗らなかったんだろう。お金はケチらず使った方がいい、と、大人への一歩を踏み出すきっかけになった、出来事でした。
中花香さん/女性/年齢:20代/鎌倉出身/会社員/海外旅行、バイオリン演奏、ライブなどが趣味。好きなものは映像、絵本、仏像などです。