人生最悪の瞬間
今まで生きてきた中で最悪だったときはどんなとき?人生最悪の瞬間を紹介します。

冷や汗だらけのカツラガール生活

2012/08/28

大学3年生の時、どでかいハゲができた。
「髪は女の命」と言うけれど、うら若き乙女にだった私に、その言葉は無意味なものとなってしまいました。

就職活動、将来の夢、友人や恋人などの人間関係、家族。様々な問題を抱える上に、一番繊細で、敏感な年頃。知らず知らずのうちに、複合的なストレスがたまっていたようです。ストレスが頭皮に出やすかった私は、小さな円形脱毛症になることは何度かあったのですが、それまでにないほどの激しい抜け毛に悩まされることになりました。朝起きて髪をとかせば、くしにビッシリ髪がつくし、シャンプーをすれば排水溝にあっという間に毛がたまる。これは・・と思っているうちに、あっという間に、カッパハゲに成長していました。

もともと髪の量が多いので、小さな円形脱毛症であれば、少し隠せば誰にも気づかれませんでした。しかしこの時は、明らかに隠し切れないくらいの大きさに広がりつつありました。ただでさえ悩みが多い時期に、どかんと目立つハゲ・・泣いても泣いてもどうにもならない悲劇なのに、サマにもならず、鏡を見れば、ギャグのよう・・。

それでも、学校にもバイトにも出かけなければならないので、カツラを使うことにしました。最近のカツラはよくできているようで、自分の毛の質やくせなどを、きちんと再現してくれるようです。自然で全然わかりませんでした。

それでも、泊まりがけの遊びは避けたいし、積極的に遊びに出かけたりするにも、恋をするにも、なんだかみじめな気持ち。いつ誰かにバレるんじゃないかと冷や冷やするし、ほんっとうに最悪の気分でした。

心理的な要因からか帽子をかぶることが多かったのですが、ある日、事件は起こりました。友達が、ふざけて私の帽子を脱がそうとしたのです。しかも不意打ち!と同時に、するっとカツラが・・・頭の中が、真っ白になりました。無意識に、大声で「やめて!!」と叫びながら、必死に手で押さえました。あの時の冷や汗は、今でも忘れられません。

今では社会人になって、ストレスの発散方法も多種多様に覚え、ハゲになることもなくなりました。あの頃の話も、「私一時期、髪型バーコードだったことあるの〜」くらいの冗談にしていますが、でももう絶対に経験したくない思い出です。

ライタープロフィール

中花香さん/女性/年齢:20代/鎌倉出身/会社員/海外旅行、バイオリン演奏、ライブなどが趣味。好きなものは映像、絵本、仏像などです。