- 死ぬかと思った話
- これはやばい…本気で死ぬかと思った話を紹介します。
人が作りたもうた悪魔の素材…その名は『とうがらし』
2012/03/20
突然ですが、皆さんには苦手な調味料や食材はありますでしょうか?たとえば、幼い頃から嫌いだと言う人が多い代表的な食材に、人参やピーマン、グリーンピースやゴーヤ(ニガウリ)などがあげられますよね。
わたくしは、それらは大丈夫なのです。むしろ大人になって普通にもりもりと食べられるようになりました。ゴーヤなども、あの苦味がちょっとクセになりつつあるくらいです。
さて、では調味料ではどうでしょう。醤油をはじめ、わさび、からし、しょうがなど、日本には昔からとても豊富な調味料が栽培され、人々に愛されています。最近はなにかと韓流ブームが絡んできて、キムチなどがよく食卓に並ぶようになりましたよね。わたくしもキムチは、チャーハンに混ぜてキムチチャーハンにしたり、そのまま熱々のご飯にのせて食べたりと、大好きな食材であります。
ですが…皆さん、その原材料であるとうがらし、食した経験はございますか?
わたくしは過去にたった一度だけ(…いえ、今後二度と口にしたくもありませんが)そう、たった一度だけうっかり食べちゃったことがあるんです。
今は昔、そうわたくしがまだ微笑みの国タイに在住していた頃のこと。とあるタイ料理屋さんに入りいつもの通り美味しくタイ料理を食しておりました。一緒に食事をしていたタイ人の方が、いつもと違うメニューを頼み、わたくしに「美味しいから食べてみてよ!」とすすめてきたのが空芯菜の炒め物、『パックブン・ファイデン』という名のタイ料理でした。
見た目は普通の空芯菜の炒め物。ただ、ところどころに赤い色の唐辛子がちょこちょこと乗っているのが見えました。ご存知ない方のために補足しておきますと、タイ料理は基本的に唐辛子で味付けがされているのですね。なので、このようにドーン!と唐辛子がそのままの姿で鎮座しているのも珍しくありません。わたくしはそれを知っていたので、赤い部分は極力よけて、緑色の空芯菜の部分だけを食べました。日本人の舌にとっても合う、とっても美味しい料理でした。そう、その一口目は。
タイ人の知人と雑談をしながら食べていたとき、ふと空芯菜部分になにか違和感を覚えたのです。…ん?何か、形が違うような…。そんな自分の直感をなぜあのとき無視したのか今でも後悔を覚えます。
ハッハッハ、とタイ人の知人の冗談に笑いながらパクッと口にいれ、噛んだ瞬間――
ビリーーーーー!!!っとした衝撃が口の中に(主に舌に)走りました!わたくしは何が起きたのか理解できず一瞬固まり、しかしすぐにカッカッと熱くなる口内に驚き水に手を伸ばしました。が、時すでに遅し。
わたくしが食したらしい唐辛子は『グリーン・ピッキーヌ』と呼ばれるタイでよく使用される非常に辛い緑色の唐辛子だったらしいです。脳天を突き抜けるほどの、地面をばんばんと手で叩きたくなるほどの、ただただ言葉に出せず水を飲んでも辛さ薄れず、次第に痛みがうまれて悶絶しました。その後は、もう何を食べてもなんの味気もありません。完全に舌がマヒ状態になり、しゃべるのもやっとです。わたくしはまさしく地獄を見たのです。
タイ人の知人に「食べちゃダメだよ!それ、タイ人も避けて通るくらい辛いんだよ!」なんて、食べた後に言われてさらにどこにぶつけようもない怒りがわたくしを苦しめました。しかし舌が痛すぎてなにも言えません。
痛みがひいたのは、なんと翌日の昼過ぎでした。持参の日本米おにぎりを食べていて、あ、梅干おいしいなーと感じたのが、味覚が戻ったことを自覚した瞬間でした。
しかしあれ以来、わたくしは空芯菜の炒めものが本当に苦手になり、けれど味は絶品なので食べるときは慎重に緑色部分を見極めて食べるようになりました。
ギャグのようだと思われそうですが、実話です。皆さんも、タイ料理の空芯菜の炒めものを食べるときは緑色の唐辛子にくれぐれもお気を付けてください。そうでなければ、地獄をみますよ…?
緑色の唐辛子参考
グリーンピッキーヌについての参考
南形えるさん/女性/年齢:20代/愛知県在住/文章執筆歴8年目突破。人に読んでいただくこと前提の『作品』の書き方を日々特訓&勉強中。新年早々本業を捜索中なう。