- 人生最悪の瞬間
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フィジーのバス事件
2012/11/25
フィジーに語学留学していた時のお話です。初日の夜に道に迷いました。バスに乗っていてどこで降りるかわからなくなってしまったのです。終点に着いたとき車内に1人残っていた私にドライバーは「どこで降りるんだ」と聞きました。
「わからない」といったらなんともう1周してくれました。そのことについて驚く余裕もなく私はただ恐怖心でいっぱいでした。しかし1周し終わっても私は自分の家の近くのバス停が見つけられませんでした。
ドライバーはこれ以上バスを乗り回すわけにはいかないから自分の自家用車でもう一度探そうと言いました。しかしいくらバス会社のドライバーとはいえ外国で知らない男性の車に乗るなんて怖すぎる。それでもどうしようもないので彼の自家用車に乗りました。緊張のあまり鼓動がはやくなりおでこから汗が吹き出て手が震えました。
そんな私の心とは裏腹にドライバーは親身になって「地区の名前は覚えているのか」「ホストファミリーの名前はなんだ」と話しかけてきた気がします。しかしそんな声も届かず「もしどこかに連れ去られたら....このまま家が見つからなかったら....」と私の緊張は最高潮に達していました。
幸いホストファミリーの電話番号を発見しました。私の日本のケータイではつながらなかったのでドライバーは自らの携帯を取り出しホストマザーに電話して事情を説明してくれました。
そしてついに自分の家の前のバス停にたどり着きました。そのバス停は私が気付かなかっただけでもう何回も通りすぎていました。バス停にはホストマザーと小さなホストシスター達が待っていてくれました。彼女達を見た瞬間全身の力が抜けほっとしました。
「ほんとうにありがとうございました」と伝えきれない感謝の気持ちを述べていたら「当然のことですよ...次の土曜はデートでもしましょう。」と電話番号をわたされました。「結局そんなかんじか...」と思ったけれどとりあえずいい人であったことには間違いありませんでした。電話はしなかったけれど今でも感謝しています。フィジー生活はこうして始まりました。
MIKIさん/女性/年齢:20代/ベルリン在住/海外旅行が趣味で南国に語学留学をしました。世界各地に滞在しアーティスト、ライターとして活動しています。