死ぬかと思った話
これはやばい…本気で死ぬかと思った話を紹介します。

雪山で九死に一生

2012/01/31

私の住んでいるところは長野県の中でも、上田市という雪の少ない所なんですが何年かに1度ドカ雪が降ります。もともとの出身が瀬戸内海沿いの兵庫県なんで雪道や氷道での車の運転は慣れていません。そこにきて、更に方向音痴ときてます…。

ある冬の日、その何年かに1度の豪雪になり一応スタッドレスを履いてはいるものの30センチとかの雪道運転は初でした。仕事終わりにいつもの道で帰宅中「工事中」の標識と共に、誘導警備員が通行止めの旗を振っており、仕方なく回り道を余儀なくされたのですが、何を思ったか近道をして帰ろう!と、有り得ない発想で山道に入っていきました。はい。ご想像の通り、本線はシャバシャバ雪だったのにこちらはひどい有様。

なんとか登りはクリアしたのですが、問題は下りだったのです。中程まで下っていくと、スタッドレスを履いてない軽自動車が縁石に乗り上げJAF待ち。運転手は、助けを呼びに行ったのか、コンビニに買い物に行ったのか(笑)見当たりません。当然山道なので、こちらはUターンするスペースまで下がろうと。

下がりません。スタッドレスの許容範囲を遥かに超えた氷道路の為に。バックができません。更に無駄にタイヤを空転させてしまった為、路面が凍ってしまいハンドルも効きません。バックのままアクセルを踏んでいないとズルズルと前に進んで(落ちて)いくんです。ちょうどカーブだったので、目の前はガケ。助けを呼ぼうにもアクセルから足が離せないのと携帯は後部座席のバッグの中。なんと言いましょうか。何もできないのにただただアクセルを踏み続けなければならない。まさに、ただの「延命」(笑)

(ああ。このままガソリンがなくなってエンジン止まって谷底に…。あとどれぐらいもつのかな1時間ぐらいかな。いや2時間かな…もっと楽しいことしたかったな。あんなことやこんなこともしたかったな…)

回想に耽りながら、今までの人生を走馬灯のように巡らせ、家で待ってる家族のことを考えると少し涙がでてきました。アクセルを吹かしながら。ラジオからは、スタッドレスタイヤのCMが流れています。「いや、それ役にたたないから」と口に出てしまうほど、精神状態がおかしくなっています。

遺書はどうやって書こうかと考えていたら、後ろから黄色のパトランプを点滅させながらJAFが!

はい。私が呼んだわけじゃありません。前の軽自動車を助けにきたJAFです。一目で困ってる私の車を見つけ、窓からコンコン。「大丈夫ですか?」(いや。大丈夫に見えるなら、JAF社員辞めた方がいいよ)と思いつつ「大丈夫じゃないです!」と答えるとそのJAF社員は手際よく氷道路の車止めを設置して頂き「もうアクセル離して大丈夫ですよ」と。その時、初めて生き返った気がしました。

布のようなものをタイヤ下に敷いてスタックから抜け出した愛車は安全なところまでレッカーしてもらいそこからは自力で帰ることができたのです。もう絶対雪の日に近道はしないと心に誓いました。

ライタープロフィール

MASAKIさん/男性/年齢:40代/長野県在住/移住族であり、本州では住んだ地方はないほどの転勤&転職族 自己紹介 物書きが好きで、言葉や文字で人を笑わせるのが大好きチャットでも楽しいムードメーカーでありたいと思います。