運の良かった話
ありえない…運の良かった話を紹介します。

福引で神がかり的な大当たり!

2011/09/05

大晦日、私は小学1年生と3年生の2人の子どもたちをつれて、お墓掃除に行きました。本当はもっと早くに済ませておけば良かったのですが、ついつい遅くなってしまったのでした。

「寒いから気をつけて」妻に言われて、子どもたちにジャンパーを羽織らせました。私もセーターを着込んで車に乗りました。

さすがに大晦日の午後だけあって、墓地には誰一人いませんでした。しかし年内に済ませておかなければ意味がないので、私たちは手桶に水をくんで柄杓を持ちました。

先祖代々の墓の周囲のゴミを拾い集めました。それから墓石に水をかけて、タワシでごしごしと磨きました。(寒い)と思わず見上げると、雪が舞ってきました。「早く帰ろうか」といったのですが、子どもたちはいつも通りに掃除をするのだといって、まだタワシで磨き続けていました。一年の締めくくりだと思い、私も一緒に磨きました。

掃除を終えた帰り道に、妻から頼まれていた写真を取りに、写真店へ寄りました。するとお店の人が、もう最後だからといって、福引き券を子どもたちに1枚づつ持たせてくれました。抽選は向かいの会場でやっているからと教えてくれたので、そのまま抽選会場へ行きました。

会場には長い行列ができていました。「はずれ! はずれ!」の声ばかりが響いていました。列の最後尾に並んで、私と子どもたちは待っていました。

ようやく順番がきて、娘が福引きの箱をぐるぐると回しました。真っ赤な玉が、ころりと、台の上に落ちてきました。「大当たり! 1等賞!」担当のおじさんが、驚いたような大声で叫びました。

「お米とお酒とお菓子があるぞ。何にする?」と、娘に訊きました。娘はしばらく考えていました。それからちらりと私の方を見て、「お米」といいました。「さすがお嬢ちゃん。お母さん喜ぶぞ」おじさんが笑いました。

次に息子が箱を回しました。黄色い玉が、コロンと落ちました。「2等賞!」おじさんはいいながら、「どうなってるんだ。これまでずうっと当たらなかったのに」と、不思議そうに子どもたちを見ました。外では、ぼたん雪が、しんしんと舞っていました。

ライタープロフィール

キイチロウ/男性/50代/福井県在住/ごく普通の仕事をしていて、ごく普通の考え方をする、ごく普通の趣味を持った、ごく普通の外見の人間です。ただ他の人よりも少しだけ、人間ウォッチングに優れていると自分では思っています。