感動した話
思い出すとジーンとくる…感動した話を紹介します。

私の友人の幼いころの話

2013/12/30

その友人の家庭は大変裕福でした。しかし両親がともに朝早くから夜遅くまで働いていたのでいつも一人。お手伝いさんがいたので何不自由することもなかったのですが、いつもどこか寂しそう。参観日になるとその友人は決まって休みます。自分の母親が参観日に来てくれることがないから。他の人の母親を見ることが辛かったようです。その友人は自分の母親ともっと触れ合いたいと思っていたようです。休日でも食事会だと言って頻繁に出かける友人。友人は自分の母が出掛けることが出来ないと自分と一緒にいてくれると考えたようです友人の母のストッキングをすべて破っていったのです。しかし、その行動は友人の母に伝わることはなく、「いたずらっこだね」で済まされたのです。

ストッキングがなくても外出ができると考えた友人は別の行動に出ることに、靴がなければいいと考えたのです。友人は隠すだけでなく、何と母親の靴をすべて捨ててしまったのです。さすがに靴がなくなった友人の母親は友人をかなり厳しく叱ったようです。友人はかなり大人しい生活だったのですが、母親にきつく叱られたことで、我慢の限界だったのか泣き叫びながら家を飛び出しました。自宅から急に道路に飛び出し運悪く車にはねられてしまったのです。ただ、奇跡的に軽傷ですんだのがせめてもの救い。友人から日ごろから母親がいなくてさみしいと聞いていた私は自分の母親にそのことを話していました。うちの母や友人の母親と仲が良かったので元子供を見るべきだと忠告したとか。そこで初めて友人の母親は自分の子供に寂しい思いをさせていると気づいたようです。

今でも友人の家に遊びに行くとあの時はストッキングは破られるし、靴は捨てられるしと面白おかしく友人の母親が話してくれます。子供の頃、忙しくてあまり一緒に出かけることが出来なかったからと、大人になった今になって一緒に旅行に行っています。友人親子は今では本当に良い親子関係が築けています。うらやましいくらい。

ライタープロフィール

けみさん/女性/年齢:40代/岡山県在住/子供二人の母、大学時代に塾講師を経験そのまま就職するが、公務員試験に挑戦。地方公務員となるが二人目を妊娠し退職。大学時代にアルバイトをしていた塾で再び塾講師に。