私の生きるとは
生きるとは?…生きることについて、みんなの思いを紹介します。

一期一会を大切に

2010/04/03

時にはなんとなく、時には頑張って生きているうちに、アラフォーと呼ばれる世代に突入してしまいました。今まで、どれだけの人と出会ったかを考えてみると、顔と名前が一致する人で、すぐに思い浮かぶ人だけでも、かなりの人数になります。

そう考えると、たとえば、あまり話す機会がなかった同級生や、同じ会社で働いていた人などの人数を加えていくと、相当数の人と出会っているということになります。

これだけたくさんの人と出会いながら生きてきたわけですが、当然ながら、一度であった人とずっと一緒にいるわけではありませんから、別れもあります。

なにかのきっかけで誰かと出会い、別れるということが、ごく当たり前のことで、特別に親しい間柄の人以外との別れについて、あまり深く考えることはありませんでした。

私が別れというものを実感することになったのは、父親との別れで、別れが近いことを知らされてもなかなか信じられず、その状況の中で毎日を過ごすのがつらくて仕方ありませんでした。

そんな状況の中、たくさんの看護士さんたちにとても親切に接していただき、私たち家族は悲しみながらも穏やかにその日を迎えることができました。

月日が流れ、結婚した私は、「お父さん」と呼べる人ができたことをとてもうれしく思いましたが、その期間はとても短いもので、義父との別れを経験することになりました。

義父が闘病する病院で出会った看護士さんたちの優しい心遣いに、私は以前、実父の病院でお世話になった看護士さんたちのことを思い出していました。

きちんとお礼や挨拶もできずに二度と会うこともなかった看護士さんたちのことを考え、感謝の気持ちを伝えられなかったことを深く後悔しました。いつでも会えることが当たり前のことのように思っている人にも、初めて会った人や、数回顔を合わせた人にも、伝えたいことは思ったときにすぐ伝えておかなければ、その機会を失ってしまうということに気づかされました。

誰かと出会うということは、何かの縁があってのことですから、その縁を大切にしていかなければいけないと思うと、これまでの人との接し方について反省しなければいけないことがたくさんあることも実感しました。

生きるということは、ある意味、出会いと別れの積み重ねで、一期一会を大切にすることが、後悔なく生きるために大切なことだと思っています。

ライタープロフィール

甘露さん/女性/年齢:40代/東京在住、アラフォー世代に突入し、肩の力がやっと抜け、気分的には一番のんびりと毎日を過ごしています。おいしいものが大好きで、料理の腕を上げたいと日々研究中です。散歩やホームシアターで映画を観ることで、日々のストレスを解消しています。