死ぬかと思った話
これはやばい…本気で死ぬかと思った話を紹介します。

死ぬ瞬間に垣間見た不思議な風景

2012/04/12

死ぬかと思った経験を思い浮かべていたら、フィリッピンで見た不思議な風景の記憶が蘇ってきました。四輪バギーでダウンタウンのハイウエイを走っていた時の事です。

時間は夜中の10時半過ぎですが、昼からの停電で夕食が作れずファーストショップへピザを買いに出かけたのです。バランガイといわれるデコボコの砂利道を抜けてハイウエイにでると、フェスタのために車の数も少なく快調に飛ばしていました。飛ばすと言っても時速40キロくらいですが、オフロード用のバギーでは体感速度60キロくらいに感じます。

ダウンタウンに差し掛かる緩いカーブに差し掛かったところで、前方に三人乗っているバイクが見えてきました。フィリピンでは3人乗りどころか6人乗りしているバイクもあります。免許の試験もなく、ライセンスはお金で買います。車検もなく毎年シールを買って張るだけです。

対向車のバイクは、かなりフラフラして大声を上げながら走ってきます。フェスタの帰りで酒がかなり入っているのでしょうか。

カーブの真ん中ぐらい差し掛かると、対向車のバイクが左側を走行している事に気が付きました。フィリピンでは右側通行です。私は注意を促す為にクラクションを鳴らしましたが、なんと相手もクラクションを鳴らしてきたのです。お互いの距離が狭まって危険を察したので、私は路肩方向に移動しましたが、相手はスピードを上げて突っ込んで来たのです。

ぶつかる瞬間「NO・・・」と大声を上げた事は記憶していますが、そのあと不思議な光景を見るまで意識を失っていました。

暫くして意識が戻った時、目に映る光景の構図がおかしいのです。まるで昆虫のような目線で人の靴と地面のゴミが見えます。蛍のような小さな光りが無数飛び交っていて綺麗でした。

暫くすると画面が赤くなり、モノクロのような画像になりました。これは出血が目に入った為だと思います。

初めての交通事故ですが、体がピクリとも動かず瞬きも出来ないのに意識はあるのだと、それとも死んでいるのかとも思いました。ハイウエイの道路に根っ転がって風景を見ることなど、そう度々ある事ではありません。いや一度で十分です。

ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。