- 人生最高の瞬間
- 今まで生きてきた中で最高だったときはどんなとき?人生最高の瞬間を紹介します。
人生最高の瞬間は小さな娘の愛だった
2012/04/07
私は早期リタイアして、娘と共にセブ島に住んでいます。フィリピンでは、特別なVISAを取得しないでも、2ヶ月おきにVISAを更新するだけで2年間滞在できるのです。2年を迎えると一度出国しなければなりませんが、直ぐ入国してVISAを取得できます。この繰り返しで10年間南の島の生活をエンジョイしています。
一番はじめにセブ島へ来た時は、娘がまだ8歳の頃です。英語も、タガログ語も、ビサヤ語も、まったく判らない状態で連れてきました。
エレメンタリーに入学させ別世界に放り出したたまま、10年が過ぎようとしています。今年でハイスクールを卒業しますが、日本語の読み書きは勿論の事、英語、タガログ語、ビサヤ語、そしてスペイン語を自由に使いこなすフィフリンガルになりました。
移住して2年目を迎える頃、初めて娘と離れ、私だけシンガポールに行く事になった時の話です。
当時10歳の娘を掲示板で知り合ったセブの知人に預け、VISAを再取得するの為に出国したのです。男手ひとつで女の子を育てるのは大変な事です。大人の女性の気持ちも判らないのに、小さな女の子の気持ちが判る訳がありません。
まして、日に日に顔つきが別れた女房に似てくると、ついつい八つ当たりをしてしまう事があり、気持ちが通じていると言う確信はありませんでした。
出発前のロビーで別れる時は、下を向いて泣いているようでしたが仕方ありません。私は早めに出発ゲートへと向かっていきました。
シンガポールに用事がある訳ではなく、二年に一度出国しなければならない入国管理法によるものです。
シンガポールはインド系の食事で口にあわず、コンビニでカップラーメンを買って食べていました。ちなみに、タバコは1箱1000円でした。日本もその内1000円になるのかなあ と考えながら、たった1泊のトンボ返りです。
翌朝8時にセブ国際空港に到着した時の事です。出国ゲートからでてくる私の姿を娘が見つけて「おとうさ〜ん」と叫びながら、いきなり抱きついてきたのです。私が抱えなくても落ちないほどキツクしがみ付いていました。
ああ これが親の幸せ感なんだなあ・・としみじみ実感しました。本当に些細な事ですが、一生忘れられない至福の瞬間でした。
Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。