人生最悪の瞬間
今まで生きてきた中で最悪だったときはどんなとき?人生最悪の瞬間を紹介します。

一単位…

2012/01/19

おそらく生きてきた分だけそれぞれに人生の岐路というものが用意されているのでしょう。「あのときこっちを選んでおけばよかった」などという思いに駆られることはそう少なくないはず。私はといえば、やはりそういった人生の岐路にぶつかり、さらに言えばひどい後悔の念を抱いている人間の一人です。

あれは大学4年生の冬。今からもう8年ほど前になるでしょうか。時期的に当然進路というものが決定していたわけです。文系だったので、多くの友だちは就職を選択、一方私はと言えば、不真面目な学生だったにも関わらず、どうしたことか学問への興味が大学4年になって急に芽生え、その結果として大学院への進学を選びました。それなりの苦労の末、しがない私学からステップアップ、旧帝大の大学院へ合格したわけです。仙台の大学院でしたので、引越しの準備をし、新しいアパートも契約し、もう心の中は学者へまっしぐらな自分。そしてにやける。そんな日々でした。

ところが、ええ、ところがです。なんと、大学を卒業できなかったんです。卒業者名簿出る当日、なんの疑いも持たずにそれを観に行ったのですが、なんと名前がない。何度確認しても名前がないんです。あわてて教務課に確認すると、「必修単位、一つ取り忘れていますよ」と言われる。つまりこういうことです。卒業に必要な単位数はとっていたんですが、ただ必修科目を一つ取り忘れていたと。

自分が悪いと言えば悪いのだけど、思うんです、「大学で学ぶことを理解したから大学院受かったんだよ」って。だけど、当然卒業できるわけでもなく、いわば負け犬の遠吠えか。その後、改めて翌年に別の大学院へ行くこと、そしてもちろん卒業も決まったのですが、うまくいかないことがある度に、「あのとき卒業できてれば、仙台の大学へ行ってれば違ったのかな」なんて考えてしまいます。結果どちらがよかったのかなんて誰にも分からないのでしょうが、それだけに、つい人は後ろを向いてしまうのかもしれませんね。

ライタープロフィール

横浜ホームズさん/男性/年齢:30代/横浜在住、福岡から横浜に来てはや10数年。もはや博多っ子と浜っ子の境を見失う30男。美しいものが好き。だけど醜いものはもっと好き。人生、味がある方がいいよね。