心に残る一冊
お気に入りの世界観、人生を変えた一冊、何度も読み返してしまう本を紹介します。

小さな人生論

2010/06/20

人生につまずいたと思ったら、人生が嫌になるようなことが起きたときにこの本を開きなさい。きっと答えは書いているか分からないけれど、ヒントぐらいならば書いてあるはずだからと、高校3年の卒業式に渡されたのが「小さな人生論」という本でした。その本を私にくれたのは、不況で雇用の少ない中でずっと就職する先を探してくれた進路指導部長の先生でした。

貰った日に家ですぐに本に目を通したときは、確かにいい事がたくさん書いてあるなぐらいにしか思わなかったのですが、すぐにその本に助けられるときはやってくるのでした。

なんとか就職したところでは、今まで全く知らない分野の部署に配属され、うまくやっていけるだろうかと緊張に飲み込まれ、うまくやれない自分にイラつき、働くことが何なのか分かっていない甘えから、なんでこんな思いをしてまで仕事をしていかなければならないのか、分からなくなっていました。そんな時に先生から貰った本の存在を思い出し、また読み返してみたのです。

ふと、仕事と人生について書いてある記事がありこんな言葉に目が止まりました。「仕事は自分がしているのではない」「能力が乏しいだけにさせてもらう仕事に一生懸命に取り組まなければならない」その通りだなと思い、なんとなくモヤモヤしていた気持ちがすっきりしたのです。いろんな縁の中でたまたなさせてもらっている仕事、別に自分でもなく他人でもいい仕事をめぐり合わせで自分がさせてもらっている。もっと感謝し、もっと自分を磨き、高める努力を惜しんではならないと書いている文章に、今まで自分は半人前のクセに分かったようなことを言っていたのを、いつの間にかただ会社のためと思い仕事をしていたのを反省するしかありませんでした。

それからも、気持ちが前向きになれないときにその本を開きます。そうするとなんだか素直な気持ちになれるんです。きっと、自分でこの本を買ってもそんな気持ちにはならないでしょう。恩師であり大好きな先生から頂き、その先生から受けた恩を忘れたことが無いから、その本の言葉が先生から言われているように思えて、真っ直ぐに心に染み込んでいくように感じます。これからも、私は人が生きていくための道に迷うことはないでしょう。すぐにヒントを貰える秘密の本を持っていますから。

小さな人生論―「致知」の言葉

ライタープロフィール

ヒットさん/女性/年齢:20代/東京都在住、ウインタースポーツ・モータースポーツが好きな20代女子です。粉物の食べ物や、スイーツが好きで良く食べに行きます。お酒にも目がないのでいろんな銘柄・種類に挑戦中です。