- 人生最高の瞬間
- 今まで生きてきた中で最高だったときはどんなとき?人生最高の瞬間を紹介します。
人間の暖かさに支えられて
2010/07/12
学生生活を部活につぎ込んできた人であれば、誰しもが思ったことがあるのではないかと思います。この瞬間が、いつまでも続けばいいと。この仲間でずっとプレーし合いたいと。だけれど、時間は残酷と感じるほど早く順調に進んで行き、あっという間に引退の時期を迎えてしまう。そんな、高校3年最後の大会の話。
高校ではアーチェリー部に所属していた私は、スランプのまま最後の大会を迎えていました。前日の練習が終わり、宿にみんなで泊まり明日の本番に向けて休んでいた。そんな中、私はこの大会が終わったら引退で、最後に自分らしいプレーで望める自信は無い、複雑な思いでいた。だけれど、全く後ろ向きになる暇が無いほど遊びほうけてしまいました。アーチェリーは競技人口が少なく、みんな仲が良かったのです。そして、誰しもみんな、他校の生徒までも、今このときを楽しんでいるようでした。私はそんな雰囲気を壊すことはできなかったし、気がつくと、今を楽しみたいとだけ考えていました。
大会が始まってもそう、全力で声を出し、一射一射に思いをのせて、チームメイトとか他校とかライバルとか壁が無くて、ただ、その場を楽しんでいられことに幸せを感じました。成績は予想通りあまり良いとは言えませんでした。だけれど、悔いは全くと言ったら嘘になるがほとんど残らなかったです。悔いはないはずなのに、大会が終わったときには何故か涙が止まりませんでした。
3年間のうちに面白い先輩に出会えて、可愛い後輩がいて、笑い合える仲間がいることで、今まで努力したとか辛かったとか感じる暇が全然ありませんでした。でも、強くなるために必死でやっていた、その積み重ねてきたことが、今、この瞬間となっている様で、それが実感できるのことがただ嬉しかったのです。
大げさに言うと、このあとすぐ死んだとしても、今ならば幸せだったと思って死ねる自信すらそのときはありました。そこまで思えるくらい今後、楽しいことは一体いくらあるのだろうか。もしかしたら、これが最後かもしれない。あったとしてもきっと数えるくらいでしょう。
一緒に笑って泣いてくれる仲間が出来た。それだけで、私の高校生活は最高のものになりました。あの瞬間は、いつまでたっても色あせない心のアルバムにしまっておいて、なんだか辛いと思ったときにでもたまに開けて、眺めてみようかと思います。
ヒットさん/女性/年齢:20代/東京都在住、ウインタースポーツ・モータースポーツが好きな20代女子です。粉物の食べ物や、スイーツが好きで良く食べに行きます。お酒にも目がないのでいろんな銘柄・種類に挑戦中です。